<木村拓哉>「グランメゾン東京」続編は「非常にうれしかった」 29日に完全新作SPドラマ放送
--5年という月日は感じられましたか?
尾花は人に対するコミュニケーション能力が高いほうではないので、台本を読んでいても、また険しい道を通っていくのかという思いがありましたし、結果面白いなと思う部分も。鈴木京香さん演じる早見倫子も、倫子さんなりのコロナ禍を過ごし、お店を守った。ですが、守ったからこそ失ったものもあるんだなと。実質、5年弱の時間が経過していますが、この人たちは各々その時間をしっかりと生きてきた人たちなんだろうなと台本を読んでいて感じました。
再会という形になりますけど、その過ぎた時間のブランクは、現場でお会いしたときには一切感じませんでした。皆さんがその場に、5年前と同じシチュエーションで、衣装を着ていてくれるだけで、各々のスイッチが同時にカンって入ったような感じでした。
--それはこのチーム、キャスト陣がそろったからこそでしょうか?
それはものすごく大きいと思います。「カット」の声で役から離れると思うのですが、なぜかずっと役の延長線上にいて。味を当たるのも、本当においしくないと嫌だという気持ちがあるから。倫子さんも、鈴木京香さんのはずなのに、「うちの店で出すカトラリーとしてはどう思われます? 木村さん」と言ってきたり。役の感覚や意識が共存していた現場でした。
そして、スペシャルドラマに出演される窪田正孝さん、北村一輝さんという新たな存在も。料理にたとえて言わせていただくと、素材が加わってくれることによって出し方が変わったので、すごくありがたかったです。
--スペシャルドラマ「グランメゾン東京」では岸田シェフ、映画「グランメゾン・パリ」では「Restaurant KEI(レストラン・ケイ)」の小林圭シェフという三つ星シェフが監修されています。尾花という役を作るに当たって、お二人から受けた影響はありますか?
岸田さんは、「グランメゾン東京」という作品を作るに当たって、ものすごく太い柱になってもらったなと思っています。発表会で壇上に上がってくる彼を見て、「レストラン カンテサンス」のシェフではありますが、「グランメゾン東京」のスタッフが三つ星を獲ったような不思議な感覚になりました。