<木村拓哉>「グランメゾン東京」続編は「非常にうれしかった」 29日に完全新作SPドラマ放送
--<パンデミックをなかったことにしてはいけない>という気持ちは、ご自身にも大きく影響があったからでしょうか? 飲食店の実情を見て、そう思ったのでしょうか?
お店とお客様の関係性かもしれないですが、料理を考え、作り、提供し、食べていただくって、究極のコミュニケーションじゃないですか。そのコミュニケーションが取りたくても取れなかった期間というのは、いち出演者としてもすごくつらい時期でもありましたし、飲食を描いたお話なので、そこを避けて通るのは違うかなと。「グランメゾン東京」のメンバーがもう一度皆さんの前にふっと現れるときに、この期間が全くなく「皆さん、お久しぶりです」というのは、飲食を題材とする作品として不自然かなと思ったんです。
◇5年の月日 「ブランクは一切感じませんでした」
--久しぶりに尾花を演じてみていかがでしたか?
尾花を通して、料理という名のエンターテインメントのさまざまな瞬間に立ち会えますし、いろいろな気持ちにさせてもらえます。「ミシュランガイド東京2025」の発表セレモニー会にスペシャルゲストとして出席させてもらって、「三つ星」に選ばれた方たちの屋号を発表させてもらったんです。そこには前作とスペシャルドラマで監修してくださった「レストラン カンテサンス」の岸田(周三)シェフもいて。
ドラマで描かれていることはごく限られた世界かもしれないですけど、その一端を尾花夏樹として味わうこともできますし、共演者、スタッフももちろんそうですけど、撮る人撮られる人が一つのチームとなって特別な価値観と世界観を作り上げていて、そこを煮詰めていくような感じは楽しかったです。
尾花を演じるまでは、正直「ミシュラン」と聞いたらタイヤメーカーの名前が浮かんでいたのですが、「グランメゾン東京」で充実した時間を過ごさせてもらったことで、違う響きになりました。それは「ミシュランガイド」というものに対して、ものすごい熱量、モチベーション、ストレスと向き合っている方たちの存在を知ることができたから。全ての命をいただいているという気持ちが生まれたことによって、「いただきます」という言葉の重みがさらに実感できるようになりましたし、個人的にも、作品としても非常に面白いですし、共演者もスタッフも僕にとって宝物の1つです。