静岡県知事選は野党系の鈴木康友氏が自民党推薦候補ら破り当選
大村氏は敗戦の弁で……
26日午後11時半過ぎ、「鈴木氏当確」の報を受け、静岡市葵区の会場に姿を現し、支持者に深々と頭を下げた大村氏。直後のインタビューで「川勝知事のリニア対応に否定的だったことが、選挙結果に影響したのでは」と筆者が問うと「私は川勝知事の県政について全否定したこともないし、リニア対応について否定したつもりもない。水と環境を守りながら前進すべきだと言ってきた」と答えた。 これに対して、静岡市内の大村氏の選挙事務所入口カウンターに「川勝平太 歴史に残る汚名」と題する月刊誌記事のコピーが山積みされていたことを指摘すると「時間がなくてほとんど読んでおりませんので」とシラを切った。 さらに「1年以内に結果を出す」という公約を岐阜の水枯れにより撤回した影響を問うと「(JR東海との)信頼関係が得られることがわかるまではストップしようと申し上げたので、選挙戦に影響したとは必ずしも思っていない」。 一方、新知事となった鈴木氏は29日の就任会見で、リニア問題について「県とJR東海、国、大井川流域の市町の連携のもとに一つ一つの課題をクリアしていくことが大事」と、安全運転で始動。 JR東海が山梨県側の県境近くで再開した高速長尺先進ボーリングについては「一般論として調査は進めていくべき」としたが、岐阜県への水枯れの報告が遅れた件には「不信を広げることになりかねない。悪いことは早く報告するのが鉄則だ」と苦言を呈した。 どうしたら県内着工にゴーサインを出すのか問われると「今出ている課題にしっかり解決策が示され、それに各主体が合意して、特に流域市町の皆さんの不安がある程度、解消されることが必要」としつつ「最後はどこかで政治的な決断が必要。そこまではできるだけ皆さんに納得していただける努力をすることが前提」と述べた。
井澤宏明・ジャーナリスト