怪しい〝東京都庁〟SNSアカ、なりすましや偽広告?いえ、本物でした 「『パパ活』で犯罪者」配信の経緯
本物でも情報発信の質が低いと…
だまされまいとするほど、疑わしく思えてしまう、“本物”の広告。ネット上の偽情報や広告の問題に詳しい桜美林大学教授(リベラルアーツ学群)の平和博さんは、このアカウントや広告の内容について「わかりやすさの点で、行政の発信する情報として質が高いとは言えない」ため「現在の情報環境の中で、本物なのかなりすましなのかの区別がつかない状態になっている」と指摘します。 その上で、「都民サービスとしての品質管理には全庁的に取り組むべき」と指摘。「目指すべきサービス水準や品質管理が一定ではない」と明記した前述のデジタルサービス局の行動指針は「半ば開き直りのようにも感じられる」といいます。 なりすましアカウントによる偽広告が問題になる中、広告主側も「わかりやすく、誤解されず、信頼される情報発信」が必要だとします。 「どこがどういう趣旨で出稿している広告なのか、行政として、誰が見ても一目でわかる形で行うのが望ましいのでは。サービスとしての設計を一度、しっかり見直すべきではないでしょうか」 ただし、この問題への対策の前提として、「利用者側のリテラシーに頼るのではなく、そもそも疑わしい広告がはびこる現状を、InstagramやFacebookのようなプラットフォーム側が是正することも重要」としました。 「今後、生成AIなどのテクノロジーがさらに発展すれば、一般ユーザーが情報を見極めるハードルはさらに高くなります。なりすましアカウントや偽広告については総務省の検討会でも議題になっており、プラットフォームにはその責任を果たすことがさらに求められるのではないでしょうか」