野球ファンも集結 巨人のレジェンド・原辰徳氏が得た“自信”「66歳、頑張ったよね」
<ファンケルクラシック 最終日◇20日◇裾野カンツリー倶楽部(静岡県)◇6993ヤード・パー72> 代名詞? 原辰徳氏の顔芸【写真】 2018年以来、6年ぶり3度目の国内シニアツアー参戦となったプロ野球・読売巨人軍(以下、巨人)の前監督で、今大会のホストプレーヤー・原辰徳氏が3日間を戦い切った。最終日は1バーディ・5ボギー・2ダブルボギーの「80」で回り、トータル27オーバー・75位で終えた。 朝から雨が降り、気温は2日目に比べて10度以上低下。冷え込んだなかでの一日となった。「若いときにいろいろな環境の中で野球をやっていたから、そこそこの根性というのはあるからね」。コンディションへの適応力を見せた一方で、「風というのは技術が必要だね」と風への対応には苦しんだ。 「あまり考えすぎないほうがいいなというところはありますね。1クラブ上げるとかにすることが正しいんだろうな。最後なんか、(風を)意識して、アゲンスト(向い風)だしと思ってね、前下がりだし…」と、最終18番は2打目をグリーン手前の池に入れてしまい、ダブルボギー。「ああいうところが、もう少し1+1みたいな計算になることのほうが正しいのかなというね…」。現役時代さながらの、真剣な表情で自身のプレーを振り返った。 1980年代から1990年代の中盤にかけて巨人の四番打者を務め、選手としては6度のリーグ優勝、3度の日本シリーズ優勝に貢献した。“若大将”の愛称で知られたレジェンドも、気づけば66歳。体力面の不安は当然はあった。 「66歳。頑張ったよね」。プロアマ戦を含めた4日間を完走し、「いい経験ができた。多少課題も見つかると同時に、自信がついたところもある。技術というよりも、やっぱり体力ということでしょうか。技術は勉強です」とその表情は達成感にあふれていた。「あとは、プロの皆さんに迷惑はかけていない、というふうに信じたいですね(笑)」。ゴルフでは“アマチュア”という立場を最後まで忘れず、謙虚な姿勢で終えた。 大会を主催する株式会社ファンケルに所属する原氏。「ファンケルクラシックは、僕の中で特別な大会」と来年の大会にも出場したい気持ちがある。そのためにも「コンディションをしっかり。元気であるならば、ぜひ出場したいと思っています」と話した。 原氏の組には初日から多くのギャラリーが帯同した。「球場に来られている方もけっこういてね。ゴルフ場というのはまた雰囲気が違うと思う。それを多分、野球ファンの方も経験されたのではないでしょうかね。少し静かに見なきゃいけないという部分では、野球ファンの方はストレスがあったかもしれませんね?」。 ギャラリーの中には、ゴルフツアーの会場に初めて足を運んだ人も多いに違いない。原の奮闘が、ゴルフ観戦の魅力を伝えることに一役買ったはずだ。(文・高木彩音)