田舎暮らしの弱点がエンターテインメントの少なさ。美術館やコンサートに行けない…そんな不満を解消する方法とは
小西健二音楽堂が音楽を身近なものに
毎週末美術館に、というわけにはいきませんが、東川に住むようになって生の音楽に触れる機会は、東京にいた時よりもはるかに増えました。 それは東川に、小西健二音楽堂があるからです。 小西健二さんという音楽愛好家の方が、仲間と音楽を楽しむために建てた家。没後、その家とそこにあったピアノとチェンバロは町に寄贈されました。 小西さんの遺志を継いで、今は音楽を楽しむ場所として活用されています。 小西音楽堂のピアノはベーゼンドルファーです。オーストリアのウィーンで1828年に創業。全ての工程を職人による手仕事で製造しているため極端に生産台数が少なく、現在でも、世界で年間150台程度しか作られていないそうです。 そんな希少なピアノが、人口8600人の東川町にあるのです。そして重要なことはそれがいつでも弾けるように調律され、活用されているということ。 2ヶ月に1度くらい、若手の音楽家によるクラシックの演奏会が開催されます。観客は20人程度。贅沢な環境でショパンやベートーベンやバッハを聴くと、音を肌で感じることができます。まさに音楽に浸る、といったほうがいいほど。 クラシック以外にも、この小西健二音楽堂を運営管理している音楽ユニット、ドートレトミシーのコンサートも毎月開催されています。 小西健二音楽堂は宿泊することもできますし、時間単位で誰でもピアノを弾くこともできます。(いずれも有料)
東京では何ヶ月も前からチケットを取り、時間をかけて、足を運ばなければ触れることのできない生のコンサート。それが東川では、車で5分の距離。ふと思いついて参加することもできるほど身近なものなのです。 ローカルに住むのであれば、そのローカルのよさを受け止めて暮らしてこそ、そこにいる意味があると思います。 ないものねだりをするのではなく、目の前の豊かさを充分生かし切ること。 それも二拠点生活では大切なことです。