定年後も働くつもりですが「再雇用」「再就職」どちらを選んでも、収入が大きく減ります。その分「給付金」を受け取れると聞いたのですが、どのくらい給付されますか?
高年齢雇用継続給付は、いくらもらえる?
それでは、60歳定年退職後に継続雇用されて給与が大きく減った場合に高年齢雇用継続給付はいくらもらえる見込みになるのかシミュレーションします。 ・60歳定年時の給与月額45万円で、継続雇用で給与月額26万円に減少したAさん(配偶者あり・賞与などは含まず)のケース 60歳時点での給与月額45万円-(厚生年金保険料4万260円+健康保険料2万6004円+雇用保険2700円+所得税1万350円+住民税1万9308円)=手取り月額約35万1378円 雇用継続後での給与月額26万円-(厚生年金保険料2万3790円+健康保険料1万5366円+雇用保険1560円+所得税3208円+住民税7125円)=手取り月額約20万8951円 Aさんは雇用継続によって給与が定年前と比べて約57%に減少したため、高年齢雇用継続給付金の要件である「75%未満への低下」を満たし、そして「61%以下」にも該当するので、再雇用後の給与月額の15%相当額(月額約3万9000円)が受け取れます。
再就職するといくらもらえる?
それでは、定年前の給与と再就職後の給与が前記のAさんと同じ場合では、再就職するといくらもらえるのでしょうか。 <高年齢再就職給付金> 60歳時点の給与月額45万円÷30日=日額約1万5000円 再就職での給与月額26万円÷30日=日額約8666円(定年前の約57%へ減少) 再就職での給与月額26万万円×15%=月額約3万9000円 再就職した日の前日において失業手当の残日数が100日以上のときは最大1年間支払われます。 <再就職手当> 60歳時点の給与月額45万円÷30日=日額1万5000円 日額1万5000円×45%=失業手当日額6750円 支給期間150日のうち、再就職して残日数が120日ある場合は失業手当日額6750円×残日数120日×70%=約56万7000円が一括支給され、残日数が60日ある場合は失業手当日額6750円×残日数60日×60%=約24万3000円が一括支給されます。
まとめ
定年後の継続雇用・再就職のどちらかを選ぶときに、収入減少が一定割合以上だと公的な給付金を受け取れます。それぞれの支給方法なども異なるので、メリットが大きいのはどの制度か検討してから選ぶことが望ましいでしょう。 出典 厚生労働省 Q&A~高年齢雇用継続給付~ 厚生労働省 高年齢雇用継続給付・介護休業給付・育児休業給付の受給者の皆さまへ 令和5年8月1日から支給限度額が変更になります。 厚生労働省 雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ 雇用保険の基本手当日額が変更になります 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部