米球宴から漏れたレッドソックスの上原が逆転出場可能になる?
大リーグは6日(日本時間7日)、第85回オールスターゲーム(15日、ミネアポリス、ターゲットフィールド)の出場選考選手を発表。多くの予想通り、ヤンキースの田中将大投手、レンジャーズのダルビッシュ有投手が選ばれた中で、同様に、選出が“ほぼ確実”とみられていたレッドソックスの上原浩治投手の名前はそこになかった。ア・リーグ代表の指揮を執るレッドソックスのファレル監督は6日、ボストンの本拠地フェンウェイパークで行われたオリオールズ戦の試合後、インタビューに応じ、上原を「欠員が出た場合の一番手」として補欠候補に入っていることを明らかにした。故障や前半戦最終戦の13日に登板して球宴当日に投げられない投手が出た場合に、ロースターに加えると語った。 「選手間投票は、先発投手が5人、救援投手が3人だった。彼の名前がそのグループに入らなかったのは驚いたが、コージは前半戦を通して素晴らしい活躍をしてくれた。選考は色々と兼ね合いを考慮しなければならず、難しい決断だった」と同監督。選手間投票枠と同時にある監督推薦枠では各球団から最低1選手を選ぶなど、全体のバランスを考えなければならなかった選考の背景を説明した。 ファン投票で選ばれる野手とは違って、投手の場合はまず、選手間投票で選出された選手が枠を占め、そこに、各チームの監督推薦が加わる。当然、チームに該当者が多ければ選出される選手も多くなるが、かといって1球団で占める訳にはいかない。今季はツインズの本拠地ミネソタで行われ、開催地を本拠地とするツ軍選手には“ご当地枠”があるのが普通だ。均等に配分しなければならない背景に加え、レッドソックスはこの日のオリオールズ戦に敗れて、借金が今季最大10になった。リーグ東地区4位と低迷する成績の手前、ア軍指揮官として“贔屓感”を露呈する選考はやり辛い一面もあったことだろう。 更に、上原は内容的にはリーグを凌駕する素晴らしい登板を続けているが、チームの不振もあってセーブはリーグ5位の18と伸び悩み、数字的には、25セーブの1位ロドニー(マリナーズ)に比べるとやや見劣りがする。数週間前、ファレル監督は上原について「彼がマウンドでやっていることの凄さは誰もが知っている所。もう少し彼にセーブがつくような試合をしたいんだが…」と語っていた矢先だった。