マスク氏とX、米大統領選偽情報の発信地=専門家
Kanishka Singh Sheila Dang [ワシントン 4日 ロイター] - 米実業家イーロン・マスク氏が自身のソーシャルメディア「X」に投稿した米大統領選に関する偽情報や誤解を招く情報が、今年20億回閲覧されるなど、Xが偽情報の発信地となっていることが、非営利団体「センター・フォー・カウンタリング・デジタル・ヘイト(CCDH)」の調べで分かった。 選挙と偽情報の専門家らが4日語ったところでは、選挙結果を左右しそうな7つの激戦州における偽情報の拡散でも、Xが中心的な役割を担っている。 Xの広報担当者は、ユーザーが投稿に追加的な文脈を加えることができる同社のコミュニティノート機能は、投稿に従来の警告フラグを付けるよりも、誤解を招くような内容を見分けるのに効果的だと説明した。 マスク氏は大統領選で共和党候補のトランプ前大統領への支持を表明している。 マスク氏のフォロワー数は約2億0300万人に上る。カーネギー・メロン大学のコンピューターサイエンス教授、キャスリーン・カーリー氏によると、マスク氏の投稿は他のソーシャルメディアやメッセージプラットフォームでも拡散されることがあり、「Xはプラットフォーム間の導管になっている」という。 今年のマスク氏による投稿のうち、少なくとも87本はファクトチェック組織によって虚偽もしくは誤解を招く内容だとの評価を下されているが、CCDHの報告によるとこれらの閲覧回数は20億回に上った。 また、激戦州ペンシルベニアでは、不完全な有権者登録フォームを例示して注意を促している選挙管理者の様子を、選挙干渉の一例であるかのように見せる虚偽の投稿を一部のXユーザーが行った。これは政府の説明責任と投票権を推進する超党派組織コモン・コーズの幹部が明らかにした。 人工知能(AI)を使ってオンラインの偽情報を追跡している企業、サイアブラは4日、フォロワー11万7000人を抱えるXのアカウントが、ペンシルベニア州でトランプ氏への郵便投票が破棄されていることを示す偽動画の拡散において主要な役割を果たしていると指摘した。 これに対し、Xの広報担当者はXはビデオを共有した多くのアカウントに対して対応したと述べた。