【60歳代おひとりさま】老後にかかる1ヵ月の生活費と貯蓄額&年金の平均受給額はいくら?グラフでチェック
60歳代「おひとりさま世帯」の貯蓄事情をグラフ・一覧表でチェック
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、60歳代・単身世帯(おひとりさま世帯)の平均貯蓄額は下記のとおりです。 平均値は「1468万円」となっていますが、この値は極端に大きい数字があると偏る傾向があるため、実態に近い貯蓄額をしりたい場合は「中央値」を参考にすることをおすすめします。 中央値をみると「210万円」となっており、平均値と1000万円以上もの差が生じています。 平均値と中央値に大きな差が生じていることから、60歳代・おひとりさま世帯においては「貯蓄が十分な世帯」と「貯蓄がほとんどない世帯」で二極化していることがわかります。 次章にて、60歳代・おひとりさま世帯の貯蓄割合について確認していきましょう。 ●3世帯に1世帯が「貯蓄ゼロ」。60歳代おひとりさま世帯の貯蓄割合 金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、60歳代・単身世帯(おひとりさま世帯)の貯蓄割合は下記のとおりです。 貯蓄3000万円以上を保有する世帯は「15.1%」であるのに対し、金融資産を保有しない、いわゆる貯蓄ゼロ世帯は「33.3%」と、3000万円以上の貯蓄を持つ世帯の約2倍に上ります。 さらに、貯蓄2000万円以上に範囲を広げても、貯蓄ゼロ世帯の割合が依然として多い現状が見て取れます。 前述したとおり、一般的なおひとりさま世帯の場合、年金だけでは赤字が発生しやすいため、貯蓄がない世帯では就労を余儀なくされる可能性が高くなります。 そのため、今のうちからコツコツと老後に備えることが得策といえるでしょう。
現在の60歳代は年金をいくら受け取っている?
では最後に、老後に受け取れる公的年金「国民年金・厚生年金」の平均月額を確認していきましょう。 厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金と厚生年金(国民年金を含む)それぞれの平均月額は以下のとおりです。 【国民年金の平均月額】 ・全体:5万6316円 ・男性:5万8798円 ・女性:5万4426円 【厚生年金の平均月額(国民年金を含む)】 ・全体:14万3973円 ・男性:16万3875円 ・女性:10万4878円 上記は、現在年金を受け取っている「シニア全体」の平均年金額となっています。 次章では、範囲を60歳代に限定し、60歳代が受け取っている平均年金額を見ていきます。 ●【60歳代】60~69歳の「国民年金」平均年金月額 厚生労働省年金局の同資料によると、60歳代が受け取っている「国民年金」の平均年金月額は下記のとおりです。 ・60歳:国民年金4万2616円 ・61歳:国民年金4万420円 ・62歳:国民年金4万2513円 ・63歳:国民年金4万3711円 ・64歳:国民年金4万4352円 ・65歳:国民年金5万8070円 ・66歳:国民年金5万8012円 ・67歳:国民年金5万7924円 ・68歳:国民年金5万7722円 ・69歳:国民年金5万7515円 65歳未満の国民年金受給権者が繰上げ支給を選択した場合、通常の受給開始年齢(65歳)より少ない金額を受け取ることになります。 国民年金は保険料が一律のため、受給額に大きな個人差は生じにくく、65~69歳の平均受給額はいずれも5万円台にとどまっています。 冒頭でお伝えしたおひとりさまの平均的な生活費「14万5430円」を考慮すると、この金額では老後の収入として十分とは言えないでしょう。 ●【60歳代】60~69歳の「厚生年金」平均年金月額 続いて、厚生労働省年金局の同資料による、60歳代が受け取っている「厚生年金」の平均年金月額は下記のとおりです。 ・60歳:厚生年金9万4853円 ・61歳:厚生年金9万1675円 ・62歳:厚生年金6万1942円 ・63歳:厚生年金6万4514円 ・64歳:厚生年金7万9536円 ・65歳:厚生年金14万3504円 ・66歳:厚生年金14万6891円 ・67歳:厚生年金14万5757円 ・68歳:厚生年金14万3898円 ・69歳:厚生年金14万1881円 ※65歳未満の厚生年金保険(第1号)の受給権者は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の支給開始年齢が引き上げられたため、主に定額部分がなく報酬比例部分のみの支給 厚生年金は国民年金に上乗せして支給されるため、国民年金よりも受給額は高くなりますが、それでも平均月額は約14万円にとどまります。 とはいえ、厚生年金の場合は、現役時の年収や加入期間などによって大きく異なるため、ご自身の年金見込額を正確に把握することが大切です。