いじめ解決せず転校 小4児童が同級生から暴力受け、口止め 保護者が学校に訴え、警察にも相談 学校はいじめ認知し、市教委に報告 市教委は重大事態と判断 いじめ対策委員会が報告書まとめ公表
埼玉県八潮市立小学校で昨年、当時4年生の児童がいじめを受けたとして、市いじめ対策委員会は7日までに、いじめ防止対策推進法に基づくいじめ重大事態調査報告書を公表した。児童はいじめをきっかけに転校を余儀なくされた。公表は7月26日付。 暴言や腹部、腕殴られる暴行も 小4男児いじめで不登校…重大事態に認定、第三者委設置 学校に相談後もいじめ続き、保護者は警察に被害届
報告書によると、昨年11月、保護者から学校に、児童がいじめを受けた旨の訴えがあった。内容は児童が同10月、同級生から暴力を受け、口止めされたなど。担任が児童に聞き取りを行ったところ、いじめの事実を一部認めた。被害に遭った児童の保護者が草加署に相談。学校はいじめを認知し、市教委に報告した。 同12月、児童と保護者は「いじめが解決しない」と転校の意向を示した。市教委は、ガイドラインに沿って、いじめ重大事態と判断。今年1月、市いじめ対策委員会を設置した。委員は保護司や公認心理師など5人。6月まで調査し、報告書をまとめた。 報告書は悪口や暴力を奮った可能性を踏まえ同級生による児童へのいじめを認定。学校に対し「校内組織として、いじめ事案の対応について協議の場がなかった」、市教委の対応について「いじめ重大事態になる可能性が低いと考えていた」など課題を挙げた。 市教委は「報告書の内容を真摯(しんし)に受け止め、今後の小中学校のいじめ防止対策、いじめ対応の一層の充実に取り組みたい」とコメントしている。