節目の3月、子どものやる気を高める親の「声かけ」
■親の応援があれば、子どもは楽しい時間が過ごせる そのうえで、春休みには、次の学年の幅広い意味での予習をしておくのもいいと思います。例えば、理科で月の勉強をするなら月齢カレンダーを貼っておく。国語で故事成語をやるなら故事成語の学習マンガを、算数で分数をやるなら分数の絵本を用意しておく。社会で歴史の勉強するなら郷土博物館に行ってみるなど。このように生活や遊びの中で「楽しみながら」ちょっと予習をしておくのです。
すると授業が始まったときに「あ、見たことある。ぼく、これわかりそう」と思えます。この「わかりそう」が大事です。こういう気持ちになれるとその勉強に大きな関心と自信をもって臨めます。まったく初めて見聞きするものだと「え、何それ? 難しそう」と思ってしま可能性があります。子どもはちょっと知っていることやちょっとやったことがあることを、学校で勉強すると非常に前向きな気持ちで臨めるのです。 最後になりますが、もうひとつ春休みにぜひ取り組んでほしいことがあります。それは、子ども本人が好きなことを応援してたっぷりやらせてあげることです。親の応援があれば、子どもは好きなことに熱中できて楽しい時間が過ごせます。それによって幸福度が上がりますし、親子関係もよくなります。
さらに「自分はこれが得意だ」と思えるようになると、自分に自信が持てるようになります。すると、生活全体に張りが出てきて生きるエネルギーがわいてきます。 「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」というテレビ番組に出てくる子どもたちは、まさにそういう子たちです。あの番組に出てくる子どもたちが特別ということではなく、どの子にもそういう可能性があります。ぜひ、子どもが好きなことを応援してあげてください。
親野 智可等 :教育評論家