新川こども施設(魚津)富山の自然モチーフに 県初のPFI、大和リースグループ提案
富山県が新川文化ホール(魚津市宮津)の敷地内で2027年8月に開館する新川こども施設の整備は、県内企業4社を含む大和リースグループの提案に決まった。落札額は51億7599万円。富山の自然をモチーフにしたダイナミックな遊具空間や、障害の有無にかかわらず楽しめるインクルーシブな遊び環境などが特徴となっている。県が25日に発表した。 村椿晃魚津市長と共に同ホールで会見した新田八朗知事は「『こどもまんなか社会』を目指す県の本気度を見える形で表したい」と語った。 新川こども施設は設計、建設から管理、運営までを一括して民間業者に委ねるPFI手法を初めて採用して整備する。総合評価一般競争入札に2グループから提案があり、事業者選考審査会の結果を踏まえ、同グループに決まった。 採用された提案では、館内に吹き抜けが広がり、子どもたちのわくわく感をかき立てる構想になっている。乳児専用スペースや低年齢の子どもの遊び場、保護者らが子どもを見守りながらくつろげるスペースも設ける。
運営面では、遊びのコーディネートやサポートを担うプレイリーダーを配置。子どもの年齢や能力に応じた遊びのプログラムを提供し、イベントも積極的に開催する。 新川文化ホールは県と魚津市が共同設置しており、イベント広場として活用されている敷地を、市から無償で借り受けて新川こども施設を整備する。屋内遊戯施設、もりの遊び場、つきやま広場、のびのび広場などで構成する。屋内遊戯施設は鉄骨一部木造の一部2階建て延べ2597平方メートル。遊具や施設に県産木材を活用する。 事業期間は契約締結から42年3月31日まで。県は県議会11月定例会に契約締結関連の議案を提出する。議決を受けて設計、建設し、27年8月1日に開館する。設計段階で利用予定者との対話イベントや、親子対象の現場見学会を開き、開館までの機運を高めていく。 知事は「ハード、ソフト両面でとても魅力的な提案。次代を担う子どもたちのための事業をしっかり進める」、市長は「県東部全体で理解を深めていくことが大切。市としてもPRしていきたい」と述べた。