既読スルーや書類隠し、意図的な未伝達...そんな「ずるい攻撃」を、きちんと見抜いて跳ね返すには?
いい人なのにイラっとする。そんな違和感にはどう対処する?
いい人のはずなのに、言葉の端々になぜかイラっとするものがある。優しく元気づけてくれているのに、かえって落ち込んでしまう。このように、相手のイメージと実際の感触に違和感を覚えた経験はありませんか? このような対人関係でやっかいなのは、具体的な対処法がわからないためにどんどんストレスが溜まってしまうこと。なかには、違和感を与えてくる相手ではなく、そのように感じてしまう自分を責めてしまう人もいるでしょう。 そのような場面に遭遇したら、ぜひ一歩引いたところから冷静に状況を見つめてほしいと思います。もしかしたら、あなたは一見するとわからない「ずるい攻撃」を受けているかもしれません。 とはいえ、いくら冷静になれと言われたところで自分の状況を客観的に判断するのは至難の業ですよね。そこで頼りにしてほしいのが、心理セラピスト・大鶴和江さんの著書『「ずるい攻撃」をする人たち』です。本書には、「ずるい攻撃」の特徴やそれが生まれる背景、対処法などがとても具体的に書かれており、状況判断の大きな助けとなるでしょう。 そんな本書から、今回はわかりづらい「嫌がらせ」の特徴や、その対処法について書かれた部分をご紹介します!
嫌いな相手を陰でおとしめる「受動攻撃」を見抜くには?
表立っては攻撃せずに、見えないようにわからないように嫌がらせをすることは「受動攻撃」と呼ばれています。 「受動攻撃」とは、受け身でいながら攻撃するという意味ですが、表面的には友好的な姿勢をとりつつ、嫌いな相手を陰でおとしめたり、相手の嫌がることを間接的に行うことで、相手の仕事を困らせたり、人間関係を壊そうとしたりする行為です。 そもそもそのような人は、本当に言いたいことを相手には伝えずに、怒りを嫌がらせや意地悪という形で表現してくるので、受け身でありながらも攻撃的であるという表現になります。相手に嫌われたくないから飲み込んで言いなりになるけれど、その反面相手に敵意を抱いているので間接的に嫌がらせをしてくるのです。 具体的な受動攻撃の代表例は次のようなものが挙げられます。 ・伝えたはずなのに伝えられていない →「わざと伝えない」 ・わざと書類を隠す → 上司に恥をかかせる ・メールを既読していながらスルーする → わざと相手に不快な思いをさせる ・頼まれたことをわざと失敗させる → 依頼者に恥をかかせる ・約束をしたのに守らない ・「あなたの考えを受け入れます」と言いながら、その考えを否定してくる わかりやすく表現してみると、相手を受け入れているふりをしながら相手を否定したり、間接的に相手を受け入れないという態度や言動をとったりすることです。 私もそのようなケースを多々経験してきましたが、彼らの厄介なところは直接言いたいことを言わずに、態度や行動で、否定、拒否、拒絶を表してくるところです。 もっとわかりやすい態度でいえば、例えば、 ・無視する ・不機嫌な様子を見せる ・大きなため息をつく ・話をしている最中にあくびをする こういった態度も直接相手にぶつけるわけではなく、遠回しに相手を困らせる受動攻撃として知られています。 こういった態度や行為が難しいのは、問いただしにくいところです。仮に、こちらがいくら問いただしたところで、「そんなつもりはありません」で終わってしまいます。それどころか、「あなたがそのような攻撃的な捉え方をしているからではないのですか」と返されてしまうことだってあります。 ですから、意図的にやったことなのかどうかわからないうちは相手に問いただすこともできません。 このような受動的な攻撃性の高い人に攻撃されると、非常に不愉快なモヤモヤ感がくすぶり続けます。一緒にいるだけで精神的な疲労を感じ、その人に会うだけでげんなりしてくるようになります。