八月踊りでにぎわう 伝統行事「カネサル祭り」 名瀬小湊集落
鹿児島県奄美市名瀬の小湊集落(栄嘉弘区長)で23日夜、伝統行事「カネサル祭り」があった。地域住民らが集落内の各所を回って八月踊りを舞い、にぎやかに交流の輪を広げた。 旧暦9月9日(クガツクンチ)の後の庚申(かのえさる)に当たる日に行う。地域住民によると、かつては「ナーマゴ」「ホーロゴ」「ハータリゴ」と呼ばれる三つの古墓にそれぞれの血族が参り、先祖を拝んだ。夜は餅もらい行事もあり、人々が各家を回ってカシャムチをもらったという。 この日は午後6時ごろに小湊へき地保健福祉館をスタート。奄美看護福祉専門学校や小湊駐在所など計5カ所で、地域に伝わる26曲のうち「そうしられ」「あいすまちかな」「でんのできしぎ」「今の踊り」など8曲を踊った。
子どもからお年寄りまでが輪に加わり、チヂン(太鼓)に合わせて元気よく舞った。参加者にはカシャムチも配られた。 栄区長(70)は「今は歌い手が少なくなってきている。いつまでも行事をなくさないよう伝統を守っていきたい」と話した。
奄美の南海日日新聞