厚労省が「キミはまだ本気出してないだけ」をニート支援に選んだ理由とは
ポスターを見て来所した人も
そんな厚労省の「攻め」の広報キャンペーンに、現場は当初「衝撃を受けた」という。だが年明けから厚労省が全国のサポステに意図を説明したところ、現場からは「ポスターを見て、サポステに来所した人がいた」、「受け容れ先の企業の理解が広がり、職場に置かせて欲しいと言われた。ポスターを追加発注したい」などと、徐々に理解を示す声が上がったという。 賛否両論を覚悟した厚労省に届いた反発の声はこれまで2件で、うち1件は「(ポスターの)太った中年男性が気に入らない」というものだったという。
4月から何かを始めようとする人のために
厚労省は「俺はまだ本気出してないだけ」の大黒シズオを広報キャラクターに選んだことについて、「『大黒シズオ』だからこそ、共感を得られるところがあるのではないかと考えた」と説明する。作者の青野春秋さんは30代で、このキャンペーンのサイトで「この作品を通じて、『40代のおじさんでも新しいことに挑戦するってカッコよくない?』というメッセージを同世代の人たちに届けたかった」と語る。「何事も結果を求め過ぎないでほしいですね。完璧な人間なんてどこにもいないし、欠点をカバーし合うのが家族であり、友達ですから」 この時期のキャンペーンを選んだのは、4月から何かを始めようと考える人が多いためだという。厚労省の担当者は「(ニートの人は)家族しか話す人がいなくて、引きこもってしまう人も多い。第三者が話を聞いて、前進することもある。サポステは『伴走者』として、本気で一緒にやっていこうと思っています」とメッセージを送った。 (中野宏一/THE EAST TIMES)