【ボクシング】アマ3冠・吉良大弥「井岡一翔さんを超える」1回KO勝ち堂々デビュー
<プロボクシング:LifeTimeBoxingFights21大会>◇27日◇東京・後楽園ホール 「キラキラ・ダイヤモンド」の異名をとるアマ3冠ボクサー吉良大弥(21=志成)が上々のプロデビューを飾った。コムサン・カエウルエアン(19=タイ)とのスーパーフライ級6回戦に臨み、1回1分58秒、KO勝ちを収めた。序盤からスピードで上回ると、連打を浴びせてコーナーに追い詰めた。最後は左連打からのボディーでダウンを奪って仕留めた。 「輝く原石」らしくデビューを飾った「吉良大弥(きら・だいや)は本名です。まず志成ジムに4月に入門し、5月の後半にラスベガスに行き、いろいろなチームの支えがあった。これを1歩に先に進んでいきたい」と決意を新たにした。 デビュー戦前に「世界王者は通過点」と豪語してきた吉良は「通過点と言ったのはそれを意識しないと1番強くなれない。パウンド・フォー・パウンド(階級を超越した最強選手)1位を目指しているので」とキッパリと言い切った。 先月25日から約3週間、プロ転向を勧めてくれた同門の大先輩、WBA世界同級王者井岡一翔(35)と米ラスベガスでスパーリング合宿を体験。名伯楽イスマエル・サラス・トレーナー(67)のジムで週2~3回ペースでスパーリングを積み重ねてきた。井岡からはメンタル面の保ち方を伝授され、サラス・トレーナーからは技術的なアドバイスをもらって帰国した。 7月7日に王座統一戦を控える世界4階級制覇王者の調整する姿を間近で見てきたからこそ尊敬の念を込めて言った。「井岡一翔さんはジムの偉大の先輩なので。そこを目指して、超えていかないといけない。期待を背負っているし。その期待を超えられるようにしたい。通過点と思っていないと成長が止まると思うので。また面白い試合をしたい」と宣言していた。 吉良は名門・王寺工高時代に19年アジアジュニア選手権男子50キロ級金メダルを獲得し、高校選抜、高校総体で優勝しているアマ3冠の実力者。もともとプロ志向が強く、今年のパリ・オリンピック(五輪)の道が断たれたことで東京農大を2年で中退。大学の大先輩でもある井岡から直接、プロ転向を勧められ、志成ジムに入門していた。 ◆吉良大弥(きら・だいや)2003年(平15)5月30日、大阪・門真市生まれ。父学さんの勧めで4歳からキックボクシングを開始。小学1年から柔道とボクシングを並行して始め、中学からボクシングに専念。王寺工高では1年でアジア・ジュニア選手権50キロ級優勝、同2年で高校選抜、同3年で高校総体を制覇し、東京農大進学。アマチュア戦績は46勝(16RSC)6敗。家族は両親と元キックボクサーの姉2人。身長163センチの右ボクサーファイター。