Living in Sapporo《ロシア人》アリョーナさん前編 生のサンマに衝撃
【北海道・札幌】200万人近い人口を抱える北海道の道庁所在地・札幌。「さっぽろ雪まつり」を代表とする世界規模のイベントも開催され、多くの観光客が訪れる街だ。その札幌には多くの外国人(2011年の札幌市の調査によると「札幌の外国人登録者数」は9500人強)が住んでいる。そこで、札幌で暮らす外国人に「札幌の魅力」を聴く「Living in Sapporo」の不定期連載をスタート。第2回目前編では、ロシア語通訳・講師として活動する傍ら、テレビやラジオなどでレポーターとしてもメディアに登場しているロシア人、アリョーナさんなぜ日本に興味を持ったのかを聞いた。(インタビュー・構成/橋場了吾) 【写真】Living in Sapporo《ドイツ人》ヤミツキさん前編 きっかけは“ゴジラ”
稚内にほど近いサハリンが故郷
私が生まれたのはロシア・サハリン州のコルサコフ(日本名・大泊)という場所で、貿易港として栄えている町です。人口は3万人強、北海道でいうと小樽や根室と雰囲気が似ていますね。サハリンの南にあるので、稚内とは非常に近いです。 ロシアはあまり外食の習慣がなく、家で食事をすることが多いです。他の家族とはホームパーティーでコミュニケーションを取るのがロシア流。よく「ロシアの人は冷たい・無表情」といわれますが、心を開いた人にはそんなことはないですよ(笑)。良く笑いますし、明るい人も多いです。 ロシアの主食はパンとジャガイモ。特にパンはないと生きていけません。白パンと黒パンがあり、日本のパンとは食感が全然違います。なかなか日本には似たパンが売っていないので、ライ麦が原料のパンを見つけると懐かしくなってしまいますね。 私がおすすめしたいロシアの家庭料理は「セリョートカ・パト・シューバイ」。これは「毛皮を着たニシン」という意味なのですが、マリネにしたニシンにまず細かく切ったジャガイモやニンジンを乗せたサラダです。ニシンに色鮮やかな野菜が乗るので、こう呼ばれているのですが名前に似合わずとても美味しいですよ(笑)。 ニシンはサラダでも食べるのですが、サンマは北海道に来て初めて生の実物を見ました。ロシアでは缶詰しか食べたことがなかったので、道東に取材に行った時に獲れたてのサンマを七輪で焼いて食べたのは衝撃でした。凄く美味しくて、「何でロシア人はこういう食べ方をしないのか」って(笑)。