西日本の香りと食材楽しんで 豪華寝台列車「瑞風」料理人
沿線の食材生かし周辺地域の農家との交流深め
西日本の香りと食材楽しんで 豪華寝台列車「瑞風」料理人 THEPAGE大阪
JR西日本が来春運行を始める豪華寝台列車「トワイライトエクスプレス 瑞風(みずかぜ)」で顧客をもてなす料理を監修する料理関係者がこのほど、大阪市内でそろって会見を行い抱負を述べた。それぞれ沿線の食材を生かした料理を提供するため、周辺地域の農家との交流を深めるなど、メニュー開発に打ち込む熱気が伝わってきた。
オープンキッチンで香りのライブ感を満喫して
会見に臨んだ料理関係者は総勢8名。「瑞風」で食のプロデューサーを務めるフードコラムニストの門上武司さんは「大切にしたいのは西日本の香り。懐かしい味の記憶はほとんど香りで構成されている。食堂車では 香りなどのライブ感を満喫してもらうため、オープンキッチン方式を採用した」と話した。料理を監修する食の匠が7名。京都で料亭を営む村田吉弘さんは「日本海などの沿線を周りながら京料理は食べたくないはず」と冗談を飛ばしながら、「揺れる列車の中で鍋料理をしてもらう。そのための調理器も検討中」と、飽くなきチャレンジを惜しまない。 レストランのオーナーシェフ米田肇さんは「制約が多い列車の厨房でもこんなに美味しい料理を味わえるのかと、感動してもらえるよう努力したい」と意気込む。小山賢一さんは広島県でフレンチ料理店を切り盛りしている。「『いなかの日曜日』をテーマに、ランチのメニューに工夫を凝らす」との構想を披露した。
旅行者と生産者の架け橋になりたい
上野純一さんは広島県で名高いあなごめし専門店の4代目。「あなごめしを釜とマキで炊いていた原点に立ち戻り、あなごめしのお焦げで、独特の風味を味わっていただけたら」と話した。 島根県松江市のフランス料理店オーナーシェフ原博和さんは「山陰は食材の宝庫。食材の瑞々しさとともに生産者の情熱も伝えたい」と語ったうえで、「旅行者と生産者がつながる架け橋になりたい」と夢を膨らます。 上田幸治さんは29歳でフレンチレストランをふるさと島根県益田市に開業。「料理を通じて地域に笑顔が生まれ、地域が元気になるためのお手伝いをしたい。生産者とともに『瑞風』運行開始までのわくわく感、どきどき感、運行開始後のうれしさや喜びを共有したい」と、地域との連帯感を強調した。