「今日行くところがない、誰か泊めて」安宿からの切実なSOS…長期の海外生活には〈住むところの確保〉と〈英語力〉が欠かせない納得の理由
英語が苦手な日本人を狙う詐欺もある
ただ、このときに必要になるのが英語力だ。内見でも契約でも交渉でも、英語力が活きてくる。逆に英語ができなければ、よくわからないままに契約させられることも起こり得る。実は、英語が苦手な日本人を対象に、詐欺も発生しているという。 次の家を早く決めたい、という気持ちを見透かされて、「他にも希望者がいる。先に申込金を振り込んでくれれば、あなたに貸す」と言われたと思い込み、振り込んだがもう別の人に決まっていて、お金は戻ってこない。文句を言っても、英語でまくしたてられて、何を言っているのかわからず、逃げられてしまう。 もっとひどいのは、架空の物件を契約させられてしまうこともあるという。なんだかんだと内見に応じず、部屋を見せない。時間ばかりが過ぎ、「早めにお金を入れてくれないと、他の人が来ているよ」と言われて応じてしまうと、実は物件の所有者ではなかった。中には、偽造された身分証明書を見せられることもあるらしい。 詐欺まがいのトラブルには、いろいろなパターンがあるが、日本語のサイトで情報発信が行われたものが多いという。日本人は英語ができない可能性が高い、と見抜かれているのだ。 きれいな物件なのに相場に比べて大幅に安い。そんな写真に釣られて電話をするとカモにされる、というケースもあるらしい。情報自体、日本語が怪しいものもあるのだそうだ。 いずれにしても、家探しは誰でも苦労する可能性がある。ちょうど出る人がいたタイミングと重なり、なんともすんなり見つけられたり、日本人のオーナーの家に入れたりする人もいるが、今回も「家探しには苦労した」と語っていた人も何人かいた。 ここで、英語力が大きく活きてくる。トラブルや詐欺を避けるためにも、英語は重要になるのだ。 上阪 徹 ブックライター ※本記事は『安いニッポンからワーホリ!最低自給2000円の国で夢を見つけた若者たち』(東洋経済新報社)の一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。
上阪 徹