コンピューターの歴史も想起させる。カシオ初の腕時計が復刻
今やG-SHOCKの存在があまりに大きいため、腕時計メーカーとしてのイメージが強いカシオですが、「カシオ計算機」の社名の通り、計算機が初期のメイン事業。腕時計に参入したのは1974年のこと。 【全画像をみる】コンピューターの歴史も想起させる。カシオ初の腕時計が復刻 今年はそれから数えて50年ということで、時計事業50周年を記念したモデルがリリースされます。
当時は世界初の機能を搭載
その中でも最注目作が2024年2月29日にいよいよ発売されます。それはカシオが50年前に初めてリリースした腕時計の復刻モデル。デジタルウオッチとして世界で初めてオートカレンダー機能を搭載した「カシオトロンQW02」。その復刻モデルTRN-50が発売します。 カシオトロンは、「時間は1秒1秒の足し算」という発想から電卓事業で培ったデジタル技術を生かして開発されたのだとか。時刻だけでなく、月・日・曜日も正確に表示する「完全自動腕時計」を目指して、大の月・小の月を判別して日付を自動的に調整するオートカレンダー機能を搭載。当時の常識を覆したエポックメイキングなモデルだったわけです。
50年前のモデルを堂々復刻。デザインも再現
今回のTRN-50は、電波受信機能やモバイルリンク機能、ソーラー駆動など最新の機能を搭載。「完全自動腕時計」という開発思想を受け継いでアップデイトされています。一方でデザイン面は50年前の「カシオトロン」をかなり忠実に再現しています。そのデザインは、今見るとレトロでむしろカッコ良くさえも見えます。と同時に、様々なことを思い起こします。 カシオトロンが発売された1974年は、インテルがマイクロプロセッサ8080を発表した年。翌年にはそのプロセッサを積んだマイクロコンピューターキットAltair 8800が発売され、マイクロソフトのBASICが開発されました。アップルコンピュータのApple Iはもう1年後の1976年。パーソナルコンピューターの時代が到来する直前の時代だったわけです。 カシオトロンの、ほぼ真円形のケースに小さめの液晶が小窓のように配置されたデザインからは、そんなパソコン時代幕開け前夜の最先端と当時の近未来感をも窺えます。ちなみに、今もカシオの社名の英字表記は、CASIO COMPUTER。アップルがApple Watchをリリースする遙か41年も前にコンピューターメーカーとしてリリースした腕時計だったわけです。 TRN-50はそんなカシオの歴史を象徴するプロダクトでもあり、コンピューターの歴史を想起させる復刻モデル。こうしてコンピューターの歴史を思い起こせば思い起こすほど、ついつい欲しくなってきてしまう腕時計です。 公式サイトでは予約完売しているようですが、実店舗では購入できるチャンスもありそうです。 Source: CASIO
隅田敦之