酔いどれ編集長のクラフトビール飲みある記(78)ヱビスブルワリートウキョウに行ってきた(その3)
前回までのあらすじ 4月3日にオープンした「YEBISU BREWERY TOKYO(ヱビスブルワリートウキョウ)」へ行こうと思った。ヱビスビールの歴史を巡るミュージアムとビールが醸造されているブルワリーを巡る「YEBISU the JOURNEY」を予約しようとしたら満員だったので、キャンセル待ちを登録。ガイド付きツアーに参加できなくてもビールは飲めるようなので、とりあえず向かった。キャンセル待ちは空きが出ると登録者へ一斉にメールが送られ、早いもの順で埋まるとのこと。タップエリアでビールを飲みながらメールが届くのを待つことにした。 ◇◇◇ 早速ビールを頼もうと思ったのだが、ガイド付きツアーに参加できないことを想定し、まずはミュージアムを単独で見ることにした。受付でもらったガイドには<ヱビスの歴史に加え、街と共にあったヱビスの姿を今回改めて過去写真を探し出して公開。街と共に歩み、130年以上続いてきた唯一無二のブランドツールを旅するようにお楽しみいただけます。>とある。 1890(明治23)年に最初に発売されたヱビスビールの瓶などが展示されていて興味深い。最初の瓶のラベルに描かれた恵比寿様は思った以上に小さい。隣の1893年のはラベルの真ん中に恵比寿様が大きく描かれている。<1904(明治37)年頃のビール1本の値段は20銭。庶民の食べ物、かけそば1杯が2銭ほどであったから10倍にもなる。>とある。「富士そば」のかけは1杯420円だから10杯だと4200円だ。高い。今、ヱビスビールの500ミリリットル缶をコンビニで買うと300円ほど。現代に生まれてきて良かった。 ヱビスビールが出てくる漫画「美味しんぼ16巻」も展示されていた。「ああ五十年間、がまんして、やっと禁を解いてみれば…本物のビールもソーセージもないなんて……」と嘆く初老の男性に、山岡士郎が「いやいや、そんなに嘆くことはありませんよ。量は微々たるものですが、日本のメーカーでも麦芽だけのビールを作っているのです」「このヱビスビールは、昔から麦芽とホップだけで作られているんです。これこそ本格派のビールです。飲んだあとに舌の上に稲妻が立つ。実に力強いが、あと口はさわやか」と言って、手にしたヱビスを勧めるページが開かれている。1988年の作品とある。僕は漫画の前からヱビスビールを好んで飲んでいた。えっへん(自己満足)。 ヱビスビールあります。それだけのシンプルなコピーのポスターもあった。懐かしい。<1994年、飲食店から始まった「ヱビスビールあります。」キャンペーン。ポスターのデザインはシンプルながらも、上質でモダンな「和」のテイストが多くの人の心を動かし、日本にプレミアムビール市場を創り出すきっかけとなった。>とある。へ~、このコピーって94年のことだったんだ。僕はその前からヱビスビールを愛飲していた。えっへん(しつこい)。