中古マンションを購入・売却するなら築2630年! 価格面や耐震性などメリット多数
1990年代の供給数は現在の2倍以上なので選択肢が多い
「(築26年)~30年」といえば、1994年から1998年竣工のマンションになる。不動産経済研究所のデータによると、新築マンションの首都圏の供給戸数は1994年が8.0万戸、1995年が8.5万戸、1996年が8.3万戸、1997年が7.1万戸、1998年が6.6万戸だった。 現在は年間3万戸前後まで落ち込んでいる点を考慮すれば、「(築26年)~30年」はストックが多い。その分、購入希望者からすれば選択肢が多いというメリットがある。 しかも、1990年、1991年のバブルのピーク時には、首都圏の新築マンションの平均価格は6000万円を超えていたのが、バブルがはじけて1990年代の半ばには4000万円台にまで下がった。 マンションが売れなくなって、中堅・中小のデベロッパーのなかには、マンション分譲から徹底したり、倒産するケースも増えた。その過程においては、在庫物件を投げ売りするケースも増えたといわれる。 そうした事情から、この時期にマンションを買った人たちは、それまでに比べてかなり安く購入できているので、無理して高く売らなくても十分に売却益が出る可能性が高い。その分、先の図表1にあるように、成約価格が安くなっている面もあるのではないだろうか。 1990年代からマンションの基本性能が飛躍的に向上 しかも、この時期はバブルがはじけてマンションが急速に売れなくなった時期であるにもかかわらず、大量供給が続いたので販売競争が激化、マンション分譲各社が「安くていいものを供給する」ことに力を入れるようになって、マンションの基本性能が著しく向上したといわれている。 たとえば、建物の上下階を分けるコンクリートの厚さを意味する「スラブ厚」は、それまで13cm程度だったのが、この時期に15cm、18cm、そして20cmと厚くなって、耐震性、耐久性、断熱性、遮音性などが飛躍的に向上した。同時に二重床、二重天井のマンションも増加した。 設備・仕様面でも、光回線、ケーブルテレビ、インターネットなどが普及し、キッチン回りではキッチンシンクに設置して生ゴミを処理するディスポーザー、食器洗い洗浄機が、浴室回りでは浴室乾燥機が普及し始めた。浴室の広さも120cm~160cmが中心だったのが、130cm~170cm、140cm~180cmに拡大した。