バスケ東京五輪の星・八村塁が日本人初の快挙、全米大学トーナメント出場へ
疲労の解消法について聞かれると、「ごはんを食べるのが大きいと思います。寝る時間(で疲労を取るということ)は勉強もあってどうしても出来ないので、ごはんも食べて野菜も食べてフルーツも食べて、食事の方で気をつけて僕はやっています」と、はきはきと答えた。普通、疲れがたまると食欲もなくなりそうなものだが、「こっちはごはんが美味しくて、タダで食べられるので。お腹が空いたらすぐに食べるという感じでやっています」と元気いっぱいだ。 大学バスケと言えば、学生やファンの熱狂的な応援がつきもので、敵地では野次を飛ばされることもある。八村も何度か個人的な野次を受けたそうだが、「気にはならないです」ときっぱり。「日本では別に野次はないですけど、いろいろ注目されて何か言われたりすることはある。そういうところで慣れている」と気にも留めないどころか、「個人的にはそういうのは好きなので」と反骨心を覗かせた。 自らの目標意識もしっかり持っている。 シーズン開幕から2ヶ月が経とうとしていた時、1部(ディビジョン1)で全米トップクラスのチームでプレーしていることの実感を問われると、「ここは僕の最後のゴールじゃないので。もっと上に向かっていこうと思っているので」と堂々とした口調で話した。もちろん1部の大学に所属しNCAAトーナメントに出場することは夢ではあるが、渡米した最終的な目標がNBAであることを胸に秘めながら日々の練習に取り組んでいるというわけだ。 また日本の代表候補に挙げられていることに触れられると「日本のエースになろうと頑張るので。将来的に日本でプレーしたいと思っているので嬉しいです」と力強く話した。 2020年の東京五輪の期待の星だ。 八村が、「毎年のようにずっと目標としてテレビで見てきたところ」と話すNCAAトーナメントがいよいよ近づいてきた。 「思い切って全力でプレーするというのが僕の一番の目標。そういう中でまた冷静なプレーも見つけていけるんじゃないかなと思います。そういうところを意識してしっかりやっていきたいです」 フレッシュマンは、希望に満ちた表情でそう話した。 八村は、現地時間3月3日(日本時間4日)から、チームが所属するウェスト・コースト・カンファレンスのカンファレンス・トーナメント(ゴンザガ大の最初の試合は4日の準々決勝から)を戦う。 (文と写真・山脇明子/米国在住スポーツライター)