WHO、台湾の総会参加を拒否=8年連続 行政院「強い遺憾」
(台北、ジュネーブ中央社)スイス・ジュネーブで行われている世界保健機関(WHO)総会は初日の現地時間27日、台湾のオブザーバー参加を議題に採用する案を却下した。今回の総会に台湾が参加できないことが確実となった。行政院(内閣)の陳世凱(ちんせいがい)報道官はこれを受け、行政院として「強い遺憾」を示すとした上で、総会に台湾が代表を派遣できないことは台湾にとっての損失であるだけでなく、世界にとっても損失だと述べた。 台湾は2009年から16年までオブザーバーとしてWHO総会に参加していたが、17年以降は中国の圧力により招待されておらず、不参加は8年連続となった。 ジュネーブを訪問中の邱泰源(きゅうたいげん)衛生福利部長(保健相)によれば、同日午前に行われたWHO一般委員会の非公開の会議で台湾の友好国が、台湾がオブザーバーとして今回の総会に出席できるように要求する提案を総会のアジェンダに加えるよう要求したものの、同委員会はこの議題を採用するよう助言することを拒否した。 総会の全体会議では、台湾の総会参加を求める中米ベリーズとカリブ海の島国セントビンセント・グレナディーンの2カ国が、反対の立場を取る中国とパキスタンの2カ国と2対2の形で弁論した。4カ国の代表による発言後、議長は台湾の参加に関する議題を今回総会のアジェンダに組み込まない決定を下した。ベリーズとセントビンセント・グレナディーンはいずれも中華民国(台湾)と外交関係を有する。 陳氏は、台湾は国際社会の責任ある一員として、政府や民間がさまざまな機会を通じて世界との交流や国際社会の友人との協力をすることで、地球全体の公衆衛生に貢献する意思と能力があることを世界に示していくと言及。政府としても台湾に友好的な国際社会の声を拡大し続け、台湾が早急に世界の公衆衛生システムに組み込まれるように呼び掛けていくとした。 (葉素萍、曽婷瑄、田習如/編集:田中宏樹)