史上最高の脱出系映画は? スリル満点の傑作(5)一歩間違えれば銃殺…元天才子役の緊迫感みなぎる演技に震える
一つのジャンルとして確立している「脱出系映画」。自分の身には起こり得ないだろうと思えるからこそ、映画として楽しめるのだ。しかし、そんな“脱出劇”を現実で繰り広げた者たちがいると知ったら…。今回は、ドキドキが止まらない作品を5本セレクトしてご紹介する。第5回。(文・シモ)
『プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵』(2020)
監督:フランシス・アナン 脚本:フランシス・アナン、L・H・アダムス 原作:ティム・ジェンキン 出演:ダニエル・ラドクリフ、ダニエル・ウェバー、イアン・ハート、マーク・レナード・ウィンター 【作品内容】 南アフリカ人として育ったティム・ジェンキン(ダニエル・ラドクリフ)は、アパルトヘイト政策に疑問を抱き、白人でありながら反アパルトヘイト組織ANC(アフリカ民族会議)に参加する。 ある日彼は、同じくANCに所属する大学時代の友人スティーブン・リー(ダニエル・ウェバー)とともに、組織の隠密作戦を行った罪でプレトリア刑務所に投獄されてしまう…。 【注目ポイント】 南アフリカの作家、ティム・ジェンキンの自伝『脱獄』をもとに製作された作品で、主演を『ハリー・ポッター』シリーズで有名なダニエル・ラドクリフが演じる。 反アパルトヘイト運動に参加し、それぞれ懲役12年と8年の刑が下ったティムとスティーブン。そんな彼らが、一歩間違えれば撃ち殺されるような状況で、息をひそめて木のカギを作る様子は、何ともスリリングだ。 ジャック・ベッケルの『穴』(1960)やロベール・ブレッソン監督の『抵抗(レジスタンス)-死刑囚の手記より-』(1956)を見て役を研究したというラドクリフ。本作の緊迫感は、ひとえに彼の研究の賜物なのだ。 (文・シモ)
シモ