「フィクショナル」劇場公開決定!さらに酒井善三監督の前作「カウンセラー」もリバイバル上映へ
テレビ東京で「行方不明展」「イシナガキクエを探しています」を手がけた大森時生が、酒井善三監督とタッグを組んで初プロデュースしたBLドラマ「フィクショナル」が11月15日(金)より劇場公開される。このたび、本作に著名人の絶賛コメントが到着した。 【写真を見る】「フィクショナル」劇場公開にあわせて、『カウンセラー』のリバイバル上映も決定 本作の主人公はうだつの上がらない映像制作業者、神保。彼のもとに、ある日、大学時代の先輩である及川から連絡がくる。憧れの先輩との共同業務に、気分が湧き立つ神保だったが、その仕事は怪しいディープフェイク映像制作の下請けであった。やがて迫りくる自身の「仕事」の影響と責任。神保は、徐々にリアルとフェイクの境目に堕ちていくのだった。本作は、先日動画プラットフォームBUMPで配信開始するやいなや、BL作品としては異例の緊張感溢れる不穏さで大きな話題となっている。主人公の神保役には清水尚弥。及川役には若手注目俳優の木村文が抜擢された。 また、今回の劇場公開を記念し、酒井監督の前作である『カウンセラー』(20)もリバイバル上映も決定した。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭にて、短編映画では初のSKIPシティアワード受賞という快挙を達成。全国劇場で公開されるなど、短編自主映画としては異例の反響を呼んだカルト的話題作だ。黒沢清監督が注目の若手監督の名前として酒井監督の名前を挙げるなど、『Chime』(24)が『カウンセラー』の影響を受けたと語ったことも記憶に新しい。 カウンセラーの再上映に際して、酒井、大森からのコメントも到着。監督の酒井は本作に関して「『フィクショナル』と『カウンセラー』は予算も人手も制作環境も違いますが、どちらも不安という感情をベースとした娯楽作品です。楽しんでいただけたら幸いです」と語っている。また、プロデューサーの大森は「僕は『不安』が好きです。あわせてご覧いただくことで、より不安になれると思います」と語った。 さらに、「フィクショナル」に対し、各界を代表する著名人からのコメントも寄せられている。漫画家の浅野いにおは本作に関して「これは架空の物語ですが、確信を持って描かれる示唆的なラストに、自我を見失いつつある現代社会の縮図を感じました。混沌と不安、そしてやり場のない怒り。これは明日の自分の姿なのかもしれない」とコメント。小説家の背筋は「虚実ない交ぜのこの世界。もしかしたら私たちは、情報に溺れたままのほうが幸せなのかもしれません」と語った。また、小説家の高瀬隼子は「自分の目で見て、耳で聞いて、頭で考える、その先にある『信じる』が驚くほど遠い。こんなに難しかったんだっけ、と頭を抱えている…この頭も本物だろうか?と疑ってしまう。根底からぐらぐらと不安定になる、じっくり見つめてほしい作品」とコメントした。また、皆口大地は「この時代にまた一つとても危険な作品が生まれてしまった。ヒリヒリと皮膚を刺す様な穏やかな緊張感を終始張り巡らせ、この作品は優しくしかし確かに現実を蝕んでいく」と語っている。 また、「カウンセラー」に対して著名映画監督からのコメントも到着。黒沢清監督は「40分ちょっとの中編だが、これは凄い!近年最も不気味な映画と言っていいだろう。全ての画面に恐怖と錯乱が張り付き、見ているこっちまで気が変になりそうだ」とコメント。清水崇監督は「かなり久々に“ヤバいもの”を観てしまった……脚本、構成、場所、キャスト、間合い、画、音響、全てに不安が張り詰め、薄気味悪い空気が満ち満ちてくる」と語った。 配信開始から大きな話題を集めている「フィクショナル」。リバイバル上映となる『カウンセラー』とあわせて、ぜひ劇場で楽しんでほしい。 ■<スタッフ、著名人コメント> スタッフコメント ●酒井善三(監督) 「『フィクショナル』と『カウンセラー』は予算も人手も制作環境も違いますが、どちらも不安という感情をベースとした娯楽作品です。楽しんでいただけたら幸いです」 ●大森時生(プロデューサー) 「僕は『不安』が好きです。あわせてご覧いただくことで、より不安になれると思います」 「フィクショナル」について ●浅野いにお(漫画家) 「これは架空の物語ですが、確信を持って描かれる示唆的なラストに、自我を見失いつつある現代社会の縮図を感じました。混沌と不安、そしてやり場のない怒り。これは明日の自分の姿なのかもしれない」 ●背筋(小説家) 「虚実ない交ぜのこの世界。もしかしたら私たちは、情報に溺れたままのほうが幸せなのかもしれません。人がおかしくなってしまうのは、疑うことに気づいたときですから。そのことに気づいた私は、もうおかしいのかもしれませんが」 ●高瀬隼子(小説家) 「自分の目で見て、耳で聞いて、頭で考える、その先にある「信じる」が驚くほど遠い。こんなに難しかったんだっけ、と頭を抱えている…この頭も本物だろうか? と疑ってしまう。根底からぐらぐらと不安定になる、じっくり見つめてほしい作品」 ●皆口大地(ゾゾゾ/フェイクドキュメンタリー「Q」) 「この時代にまた一つとても危険な作品が生まれてしまった。ヒリヒリと皮膚を刺す様な穏やかな緊張感を終始張り巡らせ、この作品は優しくしかし確かに現実を蝕んでいく」 「カウンセラー」について ●黒沢清(映画監督) 「40分ちょっとの中編だが、これは凄い!近年最も不気味な映画と言っていいだろう。全ての画面に恐怖と錯乱が張り付き、見ているこっちまで気が変になりそうだ」 ●清水崇(映画監督) 「かなり久々に“ヤバいもの”を観てしまった……脚本、構成、場所、キャスト、間合い、画、音響、全てに不安が張り詰め、薄気味悪い空気が満ち満ちてくる──かなり久々に“ヤバいもの”を観てしまっ…あれ?……気がしただけ?……マズい、憑り込まれる。酒井善三監督、、、、凄い才能だ!ぎっちり憑り組まれた長編が観たい」 文/鈴木レイヤ