J2残留かJ1復帰か「自分でもわかってない」 前例なき4年連続レンタル?…25歳が明かした悩める胸の内【コラム】
3シーズン以上にわたって期限付き移籍を繰り返すのはJリーグでは珍しい
2022年4月にセレッソ大阪から育成型期限付き移籍で仙台に加入した中島は、すぐにボランチのレギュラーに定着。この年、リーグ戦33試合に出場して4ゴール7アシストをマークした手応えと、J1昇格プレーオフ進出圏内に勝ち点1差の7位と及ばなかった悔しさを同居させながら、翌年も仙台に残留した。 昨シーズンは背番号を「44」から、千葉直樹や奧埜博亮、関口訓充ら歴代のレジェンドが背負った「7」に変え、32試合に出場して6ゴール5アシストをマークした。しかし、後半戦に限れば22チーム中21位と低迷。仙台は残留争いに巻き込まれ、クラブ史上最低の16位で終わった。 迎えた今シーズン、仙台をJ1に昇格させたい、という思いを優先させて育成型期限付きから期限付き移籍へと移行して残留した中島は、年代別代表で指導を受けた森山佳郎新監督のもと、セカンドトップとしての能力を開花させ、チーム最多の13ゴールをあげるとともにアシストも5つ記録した。 しかし、最終的に、リーグ戦で2戦2敗だった岡山に屈した。涙まじりに迎えた終戦は、同時に自身の去就を決める日々が始まることを意味していた。冒頭で記したように、J1昇格を決めていれば仙台に残留する選択肢もあったと明かした中島は、自身の今後へ向けてこう語っている。 「正直、自分でもどうなるかわかっていない。この試合にかけてやってきたので」 3シーズン以上にわたって期限付き移籍を繰り返す例は少ない。今季はFC東京のDF大森理生が、2022年のFC琉球、2023年の大宮アルディージャに続き、いわきFCでプレーしたくらいか。 過去には清水エスパルスのFW樋口寛規が2012年および2013年途中にFC岐阜へ、2014年途中には湘南ベルマーレへ期限付き移籍し、2015年1月に期限付き移籍したSC相模原を経て、翌年に完全移籍で加わった福島ユナイテッドで、今季までの9シーズンで48ゴールをあげている。 同じチームへの3シーズン連続の期限付き移籍となると、思い出されるのが元日本代表MF山田直輝。浦和レッズから2015年に湘南へと期限付き移籍すると、2016年には名古屋グランパスとの最終節で2ゴールをマーク。復活の手応えをつかむと、湘南がJ2を戦った2017年も残留。シーズンを通して主力として活躍し、湘南のJ1復帰を置き土産に2018年に浦和へ復帰した。 これらの図式は中島にも当てはまると、誰よりも本人が理解している。小学生年代からアカデミーで育ってきたセレッソか、それとも濃密な3年間を過ごし、深い愛着とともに悔いも残した仙台か。