脳死は死か?日本の定義は世界に逆行? 11歳息子の臓器を提供した父に聞く「親として彼の最後の希望を何としても叶えなければ」
脳死とされうる患者の家族に臓器提供に関する説明を行う専門職として、全国に97人の「移植コーディネーター」が存在している。兵庫県臓器移植コーディネーター・杉江英理子氏によると、人数不足により、同時に複数件あると休みなく働く人もいるとして、育成や人員増が急務だという。また、「悲しむ家族に中々切り出せない」と話す医師もおり、脳死や臓器提供についての国民への周知、理解促進が必要だとしている。 内閣府が2021年に行った移植医療に関する世論調査によると、「臓器を提供したい人」が39.5%、「どちらともいえない」が35.8%、「提供したくない」が24.3%、無回答が0.4%との結果が出たが、「臓器提供の意思表示をしている人」の割合は10.2%にとどまった。
南氏は現場の実感として、意思表示の有無に加えて、「本人がサインしても、その意思が家族と共有されていない」ことも課題だと語る。「脳死判定された時に、臓器提供の選択肢があるかと家族に聞いても、『わからない』『今は回答できない』と返ってくる。日頃から考えてほしい。ドイツ時代は“生と死”について、よく小学校で教えていた。脳死と向き合わないと、いざという時にどうしようとなる」。 隆さんは「学校や地域社会で話題が出た時に、家族が帰ってから『臓器移植の話があった。みんなはどう思う?』と話し合うのはどうか。『提供したい』『提供したくない』どちらも正解だと思う。ざっくばらんに話して、家庭内で気持ちを共有することが大事なのだろう」と述べた。(『ABEMA Prime』より)