【ホープフルS】マスカレードボール上昇舞い!手塚師「だんだん良くなっている」
2024年中央競馬G1最終戦「第41回ホープフルS」の最終追いが25日、東西トレセンで行われた。新馬→アイビーSで無傷2連勝のマスカレードボールは3頭併せの真ん中でラスト1F(200メートル)11秒7のシャープな伸びで勢いで圧倒。コーナリングにも進境を見せ、ひと追いごとに上昇カーブを描いている。先週有馬記念制覇(レガレイラ)で勢いに乗る戸崎圭太(44)も2週連続G1制覇へ好感触を得ている。同レースは26日、枠順確定。27日はインターネット限定で前日発売される。 開門から3時間半後。朝イチの氷点下3度から8度まで調教スタンドの温度計は上がり、調教馬が少なくなったぬくもりも感じる時間帯に、マスカレードボールが躍った。Wコースの3頭併せ。主戦・戸崎はスタンド前で追い切りを見守っている。 道中で手前(軸脚)を替えるのに苦慮する場面はあったが、直線は3頭の真ん中へ。左右の圧力がかかる2歳馬には過酷な状況下で手綱を抑えたままで6F(1200メートル)84秒7~1F11秒7。内オーキッドロマンス(3歳オープン)に楽々併入、外スピリットガイド(3歳2勝クラス)を1馬身半先着と勢いで圧倒した。 2週前は嶋田、先週は戸崎、この日は再び嶋田と追い切りのバトンをつないだ。戸崎が嶋田に歩み寄ると、嶋田は「先々週より良くなってます」と笑顔で即答。手塚師も「良かったよ。先々週、先週、今日とだんだん良くなっている。1回逆手前になるところはあったけど、すぐ戻したし、直線は右手前から左手前に替えていた。先週の修正ができている。あえて3頭のプレッシャーがかかる位置でも集中力を切らさず走れていた」と右肩上がりの愛馬にニコニコ顔だ。 新潟新馬戦、前走・アイビーSで無傷2連勝。いずれも上がり3F(600メートル)はメンバー最速。前走は4コーナーで内にモタれるしぐさを見せながら、2着ピコチャンブラックと体が合うとビュンと加速。同舞台の東京スポーツ杯2歳S(クロワデュノール=1分46秒8)を上回る1分45秒8の好時計で楽々勝ち上がった。指揮官は「スタートは2戦目の方が良くなっていた。逆手前になったりする点はあるけど、モタれも改善してきた。中身はできているし、競馬場のパドックや返し馬では心配ない馬。前々走の脚を見ても、力があるのは確か。楽しみ」と期待の言葉を並べた。 G1戦線で活躍した半姉マスクトディーヴァ(秋華賞2着)を持つ良血。先週、感触を確かめた戸崎は「乗り心地は凄くいい。ポテンシャルの高さを感じる」とレース当日を待ちわびる。中山2000メートルといえば、15年2冠馬の父ドゥラメンテが4コーナーで大きく外によれながら、鬼脚で突き抜けた皐月賞の栄光舞台。父のいい意味での猛々(たけだけ)しさと、底知れぬ能力を継いだマスカレードには無限の可能性が詰まっている。有馬記念(レガレイラ)を制して勢いに乗る戸崎が、24年最後のJRA・G1も鮮やかに締めくくる。 ▽馬名の由来 マスカレードボールは英語で「仮面舞踏会」の意味。母名マスクオフから連想して名付けられた。 《アイビーSが連覇に挑む》アイビーSは98&99年有馬記念連覇のグラスワンダー、G1・4勝馬クロノジェネシス、引退を表明したばかりのG1・5勝馬ドウデュースなど多くの名馬が勝ち上がった出世レース。ダノンエアズロックが勝った昨年の3着馬レガレイラは次走ホープフルSでG1初制覇、先週22日の有馬記念でG1・2勝と大出世している。レガレイラに続き、今年も「アイビーS組」のマスカレードボールがホープフルS連覇に挑む。