FA戦線、西武ファンの憂鬱「『他球団の評価を聞きたい』で残留するとは…」"不参戦"にも疑問の声
国内フリーエージェント(FA)権を行使していた阪神の主砲・大山悠輔内野手が11月29日、残留を発表しました。宿敵の巨人が破格の好条件を提示し、獲得に動いていましたが、来季もまた、猛虎党の声援を受け、甲子園で躍動することになります。 【動画】エグすぎる!ソフトバンク・山川が古巣の西武戦で満塁弾を放ったシーン めでたしめでたし、と思いきや、この件に心がザワザワするのは、まさかの西武ファンだというのです。 埼玉県所沢市に住む40代のレオ党は、こう言います。 「大山選手は『他球団からの評価が聞きたいというのが一番の理由』と言ってFA宣言をしたじゃないですか。そして実際に他球団の評価を聞いて、その上で阪神残留を決断した。私達西武ファンからすると『そんなおとぎ話のようなことがあるのか』という驚きがあります。だって今まで、ウチで育った多くの選手が『他球団の評価を聞きたい』とFA宣言した結果、チームを離れてしまいましたから…」 つまり西武ファンにとっては、FA選手の「他球団の評価を聞きたい」イコール「今までお世話になりました」という意味にしか考えられなかったとのこと。前述のレオ党が「そこから残留って、本当にあるんですね」と目を丸くするのも無理はありません。 今年はFA対象選手がいないことから、穏やかな気持ちでオフシーズンを送っている西武ファンですが、たまには獲られる側ではなく、獲る側になってみたいもの。過去の獲得選手は中嶋聡、石井一久、木村昇吾の3人のみにとどまっています。 本来ならば49勝91敗3分けの借金42と歴史的大敗に沈んだ今オフこそ、補強に乗り出してほしい…。 11月18日にスポーツ各紙が電子版で報じたニュースは、そんな期待をかき消すものでした。 「西武、FA戦線に参戦せず」 あくまで現有戦力の底上げと、外国人選手に全てを託す方針なのです。 スポーツ紙のデスクは解説します。 「親会社である西武ホールディングスの方針から、マネーゲームには加わらないのが新たな伝統になっています。他球団が球場経営も含めたビジネス面を強化し、観客動員を増やして得た利益を補強費に回す中、『堅実経営』といえば聞こえはいいですが、財布のひもが固いことには、現場から疑問の声があがるのも無理のない話です。外国人は当たるも八卦、当たらぬも八卦。『ドラフト巧者』と『育成力』もライオンズの伝統ですが、これには時間がかかる。ファンにとってはV字回復へ、忍耐が求められるでしょう」 とはいえ西武が強くないと、パ・リーグは盛り上がりません。常勝軍団の復活を、野球ファンの誰もが待ち望んでいます。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]