日米韓が「調整事務局」新設、連携「否定」のトランプ氏見据え制度化…バイデン氏「3か国の協力続く」
【リマ=太田晶久、淵上隆悠】石破首相と米国のバイデン大統領、韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領は15日午後(日本時間16日午前)、南米ペルーの首都リマで約40分間会談した。3か国は共同声明で、連携加速に向けた「調整事務局」の新設を発表した。多国間連携に否定的なトランプ米次期政権を見据え、日米韓協力の「制度化」を図る狙いだ。 【表】一目でわかる…ロシアの戦力はウクライナを圧倒している
共同声明は、調整事務局について「インド太平洋を安定し、安全な地域にする」ための取り組みを強化するものだとうたった。
首相は会談で「調整事務局を活用しつつ、様々な分野で連携を緊密にしたい」と強調した。バイデン氏は「3か国の協力はこれからも続くと信じている」と語り、尹氏も「日米韓の協力はインド太平洋にとって不可欠だ」と訴えた。
3か国は共同声明で、北朝鮮によるロシアへの兵士派遣に関して「ロシアによるウクライナに対する侵略戦争を危険な形で拡大する」として強く非難。露朝の軍事協力の深化は「国連安全保障理事会の常任理事国というロシアの地位を踏まえれば特に悪質だ」と断じた。
首相はこれに先だってバイデン氏と個別に約10分間会談し、日米同盟深化への取り組みに謝意を述べた。両氏は同盟強化に向けて引き続き協力することで一致した。