【ウインターカップ】千葉ジェッツ元選手、監督で“初陣” 教諭に転身、母校率いて勝利目指す 市船橋
高校バスケットボール界で最高峰の大会「全国高校選手権(ウインターカップ)」に、男子の千葉県代表として市立船橋高校が2年ぶりに出場する。選手が主役の舞台ながら今大会で注目される一人に、同校教諭の星野拓海監督(34)の名が挙がる。千葉ジェッツ元選手で、引退後に教員へ転身して母校に戻り後輩を指導。市船選手時代に自身も出場したウインターカップに、監督として初めてチームを率いて勝利を目指す。(報道部・伊澤敏和)
星野さんは、市船から筑波大学に進み、2014年2月にジェッツと選手契約し翌月デビュー。約2年半、ファンから「ほっしー」と呼ばれ温かく支えられたが16年5月に引退した。 セカンドキャリアとして選んだのは、かねてから望んでいた教師の道。16年夏に教員採用試験を受け、7月から急きょ空きの出た市原市の中学校に講師として着任した。翌年から教諭となり県立八千代東高で勤務し21年4月、市船に戻った。 八千代東では男女のバスケ部を指導し、市船着任時は女子バスケ部のアシスタントコーチ(AC)に。昨年6月から男子バスケ部AC、秋から監督(ヘッドコーチ)になった。昨年は直前まで指導していた女子の27年ぶりウインターカップ出場に大きく貢献した。 男子は昨冬出場を逃したものの今夏の全国総体に出て、ウインターカップは監督として初出場となる。 各チームに注目選手は多いが、高校バスケチームの監督で元プロ選手は極めて異例のため話題性は高く、「注目されるのは宿命」と受け止める。 ウインターカップに向けては総体の悔しい初戦敗退を踏まえ、「全国大会は簡単に勝てない。選手たちはプライドを捨て、チャレンジャーとして泥臭く一生懸命プレーしてほしい。選手を勝たせたい思いは一番強い」と力を込めた。 元プロ選手による技術指導に目が向けられがちだが「公立高校教諭として選手の人間性を養うことも心がけている」と話す。菊田瑛暉主将は監督について「ジェッツ時代は動画を見て知っていた。技術だけではなく人間性を高めるよう教わっている」と感謝する。 県バスケ界が市船に関心を寄せるのは、市船選手時代の星野さんを監督として指導した近藤義行校長(56)の存在もある。師弟関係は今も強固で「星野監督は悩み、苦しみながらも選手の個性を生かし、全国大会で1勝をもぎ取ってほしい」とエール。指導者として羽ばたく教え子に、大きな期待を寄せている。 ウインターカップは23~29日に東京体育館などで開かれる。市船の初戦は24日の天理(奈良)戦。