市内70団体の獅子舞が一堂に集う 長野市で初の「フェス」
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地域に伝わる獅子舞が一堂に――。大型連休中の4日、長野市の善光寺表参道に市内全域の獅子舞が集う「ながの獅子舞フェスティバル」が初めて開催され、にぎわいました。参加した市内各地の獅子舞は70団体。大人も子どもも一緒になって練習を重ねてきた自慢の舞いや、初めて披露した女性の獅子舞に喝采が起きていました。
「雌の獅子舞」はやさしく舞う?
長野市内各地域には獅子舞が伝わり、保存会などの組織を中心に活動しています。街の活性化のためにもそれぞれの活動を市民によく知ってもらおうと市や関係者が呼びかけ、全市の獅子舞を集めたフェスティバルの開催になりました。 善光寺表参道で午前10時に始まった開幕式では市内25地域の獅子舞が並び、笛と太鼓に合わせて一斉に演舞。珍しい光景に市民や観光客が沿道を埋め、拍手を送っていました。
JR長野駅前から善光寺に通じる表参道の7か所で午前10時から午後4時までの間、参加地域がそれぞれ15分ほど獅子舞を披露。場所を変えて2回ほど演じました。全市から参加したのと、子どもたちが演舞に加わったこともあって表参道は家族連れなどで例年の連休以上のにぎわいになりました。 市内七瀬中町のコーナーでは司会者が「獅子舞は260年前に伊勢神宮から伝わったといわれます。私たちの獅子は雌なので少しやさしく舞います」などと説明しながら演舞。詰めかけた人たちの拍手を浴びていました。
フェスティバル初回のこの日は市内上松(うえまつ)地区の上松神楽囃子(かぐらばやし)保存会が女性たちによる獅子舞を初めて披露。今年1月から10代を含む女性10人近くが練習を重ねてきましたが、それぞれやや緊張の表情。舞いが終わると大きな拍手が湧き、女性たちはうれしそうでした。
いったん途絶えたら復活は難しい
各地域に伝わる獅子舞は次第に衰退しつつあり、フェスティバルの冒頭あいさつした長野市の加藤久雄市長は「市内には200近い獅子舞があるが、その8割は継承に困難をきたしていると聞く。なんとか保存・継承の活動を元気にして地域の活性化につながってほしい」と訴えていました。 善光寺平神楽囃子保存会(16団体)の若山正則会長は「同じような流儀の獅子舞が集まって8年前から獅子舞の継承と振興に取り組んできました。ほかのそれぞれの地域にも伝統の獅子舞があり活動しています。このフェスティバルが長く続いてほしい」と今後に期待していました。