シリア旧反体制派、前政権の治安部隊解体へ 化学兵器の安全確保で国際連携
【イスタンブール時事】シリアでアサド政権を打倒した旧反体制派の主力「シャーム解放機構」(HTS、旧ヌスラ戦線)指導者のジャウラニ氏は11日、「前政権の治安部隊を解体し、悪名高い刑務所を閉鎖する」と明らかにした。 ロイター通信の取材に書面で回答した。アサド政権時代の圧政と決別する意志を内外にアピールする狙いがあるとみられる。 アサド政権は父子2代で半世紀以上にわたった統治で、中東で最も抑圧的と言われる警察機構を有し、数万人が収監されていたとされる。ジャウラニ氏は別の声明で、収容者の殺害や拷問に関与した人物を追跡し捕らえると表明。国外へ逃れても逃亡先の国に「引き渡しを求める」と明言した。ロシア亡命が報じられたアサド氏も含まれるかには言及していない。 また、ジャウラニ氏はロイターに、化学兵器を保管している可能性がある場所の安全確保のため、国際機関と連携していると主張した。アサド政権は内戦中、化学兵器を繰り返し使用。化学兵器禁止機関(OPCW)は9日、シリア国内に大量の化学兵器が残っていると説明している。