北朝鮮より中国が鎖国?中国が国境を閉ざす理由
これも実現しなかったが、2024年9月6日付の『朝日新聞』は、本来は10年前に完成する予定だったが、現在は無期限開通延期となっている新鴨緑江大橋が、中朝国交樹立日である10月6日に開通するという話が丹東で聞こえていると報道した。 この橋は中国・丹東と北朝鮮の新義州を結ぶもの。「10月にも正式に開通か」という話は、筆者も春先から丹東にいる関係者から聞いていた。しかし、鴨緑江で洪水が発生し、北朝鮮側にも甚大な被害を出した7月以降、そんな話はまったく聞こえなくなっていた。
9月上旬、丹東在住者に現状を確認してもらったところ、北朝鮮側には税関など関連施設が確認できてない。中朝特有の「ウルトラC」で、全車両・貨物を中国側で一手に通関することもありうると思うが開通する可能性は低いと思うという。 彼らは丹東側で大橋近くの高層マンションから定期的にウォッチしているので、北朝鮮側の橋の様子が丸見えなのだ。 2024年春先の撮影と思われるグーグルマップを見ると、北朝鮮側の道路はすでに新義州中心部までつながっていることが確認できるものの、国境封鎖が続く状態での正式開通の可能性は低そうだ。
今後、中国と北朝鮮との観光や人の往来はどうなるのか。 中国の旅行業者からみると、8月14日に北京に本社がある「高麗ツアーズ」という会社が2024年12月に北朝鮮・三池淵限定で観光ツアーを再開するという北朝鮮側の情報を同社ウェブサイトへ公開した。 同社はもともとイギリスの企業のため、ロイター通信やBBC、CNNなどが取り上げ世界中へ拡散した。 ■中国からの北朝鮮観光再開の噂はあるが 「この情報はうわさでは聞いているが、高麗ツアーズは旅行業者ではなく、旅行サービス会社。正しい情報かどうかは、私たちもわからない。1つ確実に言えるのは、中国人はこの会社を誰も知らないということでしょうか」(瀋陽の旅行業者)