ニキータ・マゼピン、EUによる制裁が解除へ。ロシアのウクライナ侵攻でハースF1から解雇
元F1ドライバーのニキータ・マゼピンは、ロシアのウクライナ侵攻に関わる制裁をEUから受けていたが、その制裁対象から外れたことが分かった。3月20日に下された裁定で、EUは制裁対象の個人リストに、マゼピンが残っていることは正当化できないと判断した。 【F1ハイライト】F1 2024第2戦サウジアラビアGP決勝 マゼピンと彼の父親であるドミトリー・マゼピンは、ロシアのウクライナ侵攻を受け、資金凍結や加盟国への入国禁止を含む制限的措置の対象となる人物に指定されていた。ドミトリー・マゼピンは肥料メーカー「ウラルカリ」の取締役であり、ウラジミール・プーチン大統領とのつながりも深いと見られていたのだ。 この決定は、2022年シーズンの開幕前にハースからマゼピンが解雇された直後に下されたものだった。ハースは当時、ウラルカリをタイトルスポンサーとしていたが、この契約を解除すると同時にマゼピンとのドライバー契約も解除している。 今年はアジアン・ル・マン・シリーズに参戦するなど、本格的なレース活動を再開したばかりのマゼピンは、長らく世界中の制裁リストから除外されるよう働きかけてきた。 これまでそれはなかなかうまくいっていなかったが、EUが姿勢を変え、マゼピンと父親の間に家族以上のつながりがあるという証拠がないため、制裁リストから外すべきだと判断したようだ。 以前はウラルカリが彼のレース活動のスポンサーとなっていたが、その後ろ盾ももはやない。そのため、マゼピンを制裁リストに載せたのは、単に父親との関係を理由にしたものであり、今ではそれは間違っているとEUの一般法廷は声明を発表した。 「一般法廷は、ニキータ・マゼピン氏に関して適用された”関連性”基準は、一般的に言って、共通の利害関係によって結ばれている人を対象としていることを想起する」 「確定した判例に従い、この基準は、十分に具体的で正確かつ一貫性のある一連の指標に照らして立証された、家族関係を超えたつながりの存在を意味する」 「本件の状況において一般法廷は、評議会がそのような関係を立証する責任を果たしていないと判断する。経済的、資本的観点からも、両者を結ぶ共通の利害関係の存在に関しても、ニキータ・マゼピン氏とその父親との関連性は立証されていない」 マゼピンはこの裁定を歓迎し、「今日の判決に大いに勇気づけられた」と語った。 「僕のケースを公正に審理してくれた裁判所に感謝している」 「これは重要なマイルストーンだ」
Jonathan Noble