はやぶさ2の近況をJAXAが説明(全文1)リュウグウまで約750km 27日到着予定
6月13日の日本時間で13時50分ごろの撮影
8ページ目。これが昨日6月13日の日本時間で13時50分ごろの撮影でして、これは背景の星を撮影していますので露出時間が長いです。そのためにリュウグウは非常に明るく写っていますけれども、そのリュウグウのところだけを撮影したもの、露出時間を短くしたものが次のページですね。9ページ目になりまして、いよいよリュウグウのサイズがだいたい10ピクセルぐらいになってきたということが分かります。まだこの程度ですので正確な形とか表面の状況は分かりませんけれど一応、形はそんなに細長くはないと、これは予想されたとおりです。ただ、お団子型というよりは少し角張ってるような気もしますし、ここら辺はもうちょっと解像度が上がってこないと、はっきりしたことは言えません。この撮影は距離が920キロメートルのところからの撮影ということで、だいたい想定される大きさ、900メートルと予想してますけれども、それとほぼ一致したような大きさで見えているということにはなります。 それからこれはONC-T、望遠の光学航法カメラなんですが、広角のONC-W1というものの撮像もしておりまして、これは10ページ目です。こちらは画角が広くてだいたい65度角ということですので、天体自身は非常に小さく写ってしまいます。これは実はバックアップ的に撮影しているもので、仮にONC-Tの視野にリュウグウが入らなかった場合は、このONC-W1を使って光学航法しようということなので、今のところONC-Tのほうの撮像ができてますので、これは特に光学航法のデータとしては使っておりません。いずれにしましてもONC-W1も正常に動作しているということが分かります。
TIR、中間赤外カメラによる撮像
次、11ページ目。これがTIR、中間赤外カメラによる撮像なんですが、まだ撮像自体は、このように小さな点としか写っていないんですけれども一応、成功しておりましてTIRも動作が正常だということが確認できております。 特に次のページ、12ページ目にはライトカーブ、これは赤外線による、中間赤外によるライトカーブでして、一応だいたい7時間半ぐらいですね、7.6時間と書いてありますがライトカーブの強度の明るさ、この場合、赤外線の明るさの強度変化が、予想されている自転周期と合致しているということで、これはこれまでの地上からの観測と矛盾はないということが確認されております。 縦軸の信号強度、これ、数字が入っていないんですが、ここは現在キャリブレーション中ということで解析中ということになります。現時点では大きさの変化だけを見ていただければと思います。さらに13ページ目ですけれどもLIDAR、距離を測るレーザー高度計、これも6月6日に立ち上げまして、正常に立ち上がりました。で、まだ距離の測定はできません。一応、スペックでは30メートルから25キロメートルの距離が測れるということなんですけれども、当然25キロメートルまで待たずにLIDARの計測は試みたいと思っていますけれども、現時点ではまだ計測はできておりません。それからNIRS3、近赤外線分光計なんですがこちらも6月6日に電源を入れて正常に立ち上がることが確認できました。こちらは半年ぶりですね。先ほどのLIDARのほうは2年ぶりに電源を入れましたけれども両方とも正常だったということです。で、NIRS3も実はビームが非常に細くて、ある程度接近してから近赤外線のスペクトルを取るということを試みます。現時点ではまだデータは取れておりません。