大谷選手の効果は「50-50」か、広告起用企業の株価は明暗分かれる
対照的に伊藤園は今期(25年4月期)第1四半期に広告宣伝費が20%増加、原材料高騰なども重なって営業利益は29%減少した。株価は東証株価指数(TOPIX)の2.4%下落を下回るパフォーマンスだ。
伊藤園IR担当者は、広告費は「戦略的費用」として第2、3四半期では米国での「お~いお茶」の販売数などに効果が出てくるだろうと話した。
博報堂DYメディアパートナーズのイメージ調査では、大谷選手は「知性的」や「夢や感動を与えている」選手で首位だった。
たこ焼き
大谷選手がドジャースに移籍した後は、球団と契約を結ぶ企業も相次いでいる。「銀だこ」のホットランドは5月にドジャースとのスポンサーシップを発表し、ドジャース球場内でたこ焼きを販売している。ホットランドの株価も今シーズンで22%上昇している。
岩井コスモの有沢氏は、球場での販売はブランドの認知度を向上させる効果的な方法と指摘。開拓し切れていない米国市場への進出を試みる上で、意味のある効果をもたらすのではとみている。
関西大学の宮本勝浩名誉教授の試算によれば、今シーズンの大谷選手の経済効果は865億円に上る。個人がもたらす経済効果としては、テイラー・スウィフトさんが2月に行った東京ドームでの公演が4日間で341億円ほどだったと東京都市大学の非常勤講師江頭満正氏は推計した。
テイラー・スウィフト経済効果、サザンの2倍でも米ほどの熱狂なし
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Momoka Yokoyama