【平安S回顧】機先を制したミトノオーの絶妙なペースチェンジ 戦法にみる父ロゴタイプとのつながり
逃げにこだわってほしいメイショウフンジン
2着ハピは天皇賞(春)競走中止から鮮やかに巻き返した。やはりダートに変われば、堅実に結果を残す。今回も上がり最速タイ36.4で猛然と追い詰めたが、勝ち馬にマイペースを決められてしまっては敵わない。総じて詰めの甘さがあり、もどかしい状況が続く。とはいえ、今回は鋭さをみせており、ダートでも少し長めの距離がよさそう。1800mは忙しいかもしれない。なんとか好走ゾーンを絞り、勝てる条件を見つけてあげたいところだ。 3着メイショウフンジンはミトノオーを利用した走りで粘っており、健闘といえば健闘だが、並びかけられてからが強いという特徴を考えると、逆の追いかけるレースは必ずしも力を出し切れる形ではなかった。逃げ馬と2番手は記録上、順位ひとつだが、この違いは大きい。やはり逃げ馬は追いかけられ、それを振り払っていかないと勝てない。この競馬をきっかけに控える競馬も考えるかもしれないが、ベストは逃げ。ここはブレずにいってほしいところだ。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
勝木淳