愛子さまは天候の変化に「蚕」の心配を…“生き物好き”の雅子さまから受け継いだ命あるものへの愛情
雅子さまが育てた繭は、伊勢神宮に送られた
愛子さまは学習院初等科3年生の時に学校でもらった蚕の飼育を今でも続けている。学習院大学生となった2020年には、宮内庁は愛子さまの蚕が作った繭や卵を産んでいる写真を公開。蚕に病気が出た時のことを考えられて、2グループに分けて飼育するなど、大切になさっているご様子が伝わってくるものだった。 愛子さまは蚕にも名前を付けられて、ご一家で名前を呼ぶなどしておられるという。 宮内庁の紅葉山御養蚕所主任は、23日の会見の中で、 「去年の御給桑の時に愛子さまが『この蚕おかしいんじゃない』と持ってきたことがありました。蚕はお腹のところに『脱皮がら』が付いていて、輪になっていたんです。この『脱皮がら』を取れば普通に成長しますよとお伝えすると、愛子さまは『取ればいいんだ』とにこやかな笑顔でいらっしゃいました。おそらく死んでしまうのではないかと案じられたのではないでしょうか」と語った。 今年は天候が不安定な時も多かったり、就職活動が始まったりなさったことで、目が行き届かない時間などもあったため、より蚕の様子に注意を払われたという。 皇居で育てられた「小石丸」の生糸は、秋篠宮皇嗣殿下の長男・悠仁親王殿下がご誕生なさった時のおくるみに使われたり、海外の賓客に贈られたりしている。今年、雅子さまが育てた繭30キロは6月中旬に伊勢神宮に送られて、20年に一度の「式年遷宮」(次回は2033年)に新調される絹織物に使われる予定だという。 愛子さまが育てられている蚕の繭からできた生糸も、いつか大切な御用途に供せられることだろう。 友納尚子(とものう なおこ) 1961年生まれ。新聞記者、雑誌記者を経て独立。2003年から雅子妃のご体調について初めてのスクープ。以降『文藝春秋』『週刊文春』などで執筆。最新刊は、15年に刊行した『ザ・プリンセス 雅子妃物語』にその後の復活までの日々を加筆した『皇后雅子さま物語』(文春文庫)。
友納尚子