メトロポリタン美術館の24年ファッション展は、感覚を通して呼び覚ます“眠れる美” 50枚の写真と共に見どころ紹介
アメリカ・ニューヨークのメトロポリタン美術館コスチューム・インスティテュート(衣装研究所)によるファッション展「眠れる美への追憶──ファッションがふたたび目覚めるとき(Sleeping Beauties: Reawakening Fashion)」が、5月10日に開幕した(会期は9月2日まで)。6日に開かれたメットガラではセレブリティーの華やかな衣装が話題を集めたが、ここでは今年度の展示を豊富な写真やキュレーターのコメントと共に紹介する。 【画像】メトロポリタン美術館の24年ファッション展は、感覚を通して呼び覚ます“眠れる美” 50枚の写真と共に見どころ紹介
自然をテーマに220点を展示
「眠れる美への追憶──ファッションがふたたび目覚めるとき」展は、「絵画の花」や「ぼやけた花」「庭園」から「カブトムシの羽」「チョウ」「鳥」「ヘビ」「海洋生物」「人魚」まで、自然のテーマに重きを置いた29の部屋で構成。マネキンに着せるには脆すぎるため“眠れる森の美女”のように寝かせた16着の古いドレスを含め、220点の衣服やアクセサリー、ボタンなどが並ぶ。展示ブランドは、協賛する「ロエベ(LOEWE)」や展覧会カタログの表紙に用いられた「アンダーカバー(UNDERCOVER)」をはじめ、「ディオール(DIOR)」「アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)」「グッチ(GUCCI)」「シャネル(CHANEL)」「プラダ(PRADA)」「バレンシアガ(BALENCIAGA)」「ヴァレンティノ(VALENTINO)」「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」「ヴィヴィアン ウエストウッド(VIVIENNE WESTWOOD)」「ヴィクター&ロルフ(VIKTOR&ROLF)」「スキャパレリ(SCHIAPARELLI)」「マルニ(MARNI)」「イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)」「イリス ヴァン ヘルペン(IRIS VAN HERPEN)」「リュウノスケオカザキ(RYUNOSUKE OKAZAKI)」など。作品一つ一つが目を見張るような美しさを放つ一方、全体の体験は展覧会としての新たな領域と言える感覚を刺激するものになっている。展示には香りや音、手触りなどを楽しむ仕掛けが取り入れられており、来場者は肉眼で見るだけでなく、自身の感覚を試されることになる。