海自ついに導入「シーガーディアン」一体どう使うの? 新たな“空の眼”となる無人機 減っていくかもしれない有人機とは?
「潜水艦vs無人航空機」の時代に?
有人哨戒機と連携する無人航空機としては、アメリカ海軍のP-8A「ポセイドン」哨戒機と連携するMQ-4C「トライトン」が実用化されています。しかしMQ-4Cは対潜作戦での使用を想定していません。 海上自衛隊と密接な関係にあるアメリカ海軍が運用し、同志国であるオーストラリア空軍も採用を決めているMQ-4Cではなく、シーガーディアンの採用を海上自衛隊が決めた理由の一つが、対潜水艦戦への適応能力がより高いと考えられていることではないかと思います。 開発元のGA-ASIもまた、MQ-9Bを対潜水艦戦などに投入する構想を持ち、そのための研究開発も進めています。 またアメリカの防衛企業L3ハリスなども、有人航空機と無人航空機に搭載可能なソノブイポッドなどを開発しています。P-3CやP-1のように1機で潜水艦の捜索と攻撃を行えるのは、だいぶ先になるかもしれませんが、ソノブイを広域に投下して潜水艦を捜索するという役割を継承する日は、そう遠くないものと思われます。 GA-ASIは海上保安庁のMQ-9Bを運用するにあたって、元海上自衛隊の航空機搭乗員を雇用しており、その中にはP-3Cで対潜水艦作戦を指揮するTACO(戦術航空士)を務めていた人物も含まれています。おそらくGA-ASIと双日は、海上自衛隊にシーガーディアンを提案するにあたり、その人物らと同機を対潜水艦戦に投入するために何が必要かを研究し、結果を提案に反映したものと見て間違いないでしょう。 11月15日付の時事通信など複数のメディアは、MQ-9Bの調達計画機数を23機と報じています。それだけの機数を導入し、かつ無人航空機を対潜水艦戦に使用できる可能性が高まっている現実を鑑みれば、シーガーディアンが将来的に対潜水艦戦に投入される代わりに、現在その役割を担っているP-1の調達数が減らされることになると筆者は思います。
竹内 修(軍事ジャーナリスト)