【ClariS】ふたりの気持ちがリンクするアルバム「秋のうた」♪
メンバーのカレンが卒業を発表したClariSが、四季をテーマにしたミニアルバムシリーズの完結編『AUTUMN TRACKS -秋のうた-』、シングルベスト第2弾『ClariS ~SINGLE BEST 2nd~』をリリース。そして10月~11月には、現体制で最後となるツアー「ClariS AUTUMN TOUR 2024 ~Via Fortuna~」を開催する。クララとカレンのふたりで受けるインタビューもこれが最後。各作品に収録の新曲やツアーにかける思い、そしてカレンが語る卒業とは?(前編/全2回) 【関連画像】ClariS「秋のうた」と「SINGLE BEST」のJKを見る!(5枚) ■SNSを封印してレコーディング ――四季のシリーズもこれで完結です。新曲「秋のグラディエント」は、恋の終わりの切なさを歌っていて、カレンさんとの卒業とも重なりました。 カレン:お別れや別々の道を歩むことになったタイミングで、あらためて相手の大切さを知った楽曲です。当たり前に側にいる人や出会った人に、自分にできる最大限の“大切にしたい気持ち”を大事にしようと思えた楽曲です。恋愛をモチーフにはしていますが、月や星といった私たちのシンボルが歌詞に含まれていたり、オチサビの〈夏の熱が残ってる 冬になんてならないで〉では、この夏ふたりで海外を駆け抜けた思い出が残るけど、冬には、いまのClariSというかたちはなくなってしまうことと重なって。恋愛の歌だけれど、ところどころ自分たちと重なる1曲です。 ――レコーディングで泣いてしまうようなことはありませんでしたか? カレン:この曲とベスト盤に収録した新曲「Evergreen」は、ちょうど卒業を発表したタイミングでレコーディングをしていました。みんなの声を聞いてしまうと、歌えなくなってしまうかも……と思ったので、家族とのLINE以外はSNSを封印してレコーディングに臨みました。ただ頭では卒業すると分かっていても実感がなかったので、レコーディングのときは大丈夫でしたけど、きっとライブで歌うときは情緒がすごいことになりそうです。届けたいという気持ちと、自分の主観が入り乱れて「うわ~」ってなるんじゃないかと(笑)。 クララ:作詞と編曲をしてくださった長沢知亜紀さんと永野小織さんは、4thアルバム『Fairy Castle』に収録された「このiは虚数」や、『SUMMER TRACKS -夏のうた-』に収録された「Summer Delay」を作ってくださったおふたりです。数学的要素が入った楽曲で、おふたりが作る理系を取り入れた世界観がすごく好きでした。今回のタイトルにある「グラディエント」も、「勾配」という数学的な意味があるそうです。気持ちの移り変わりとか、感情が傾いていく様子を、「グラディエント」という言葉で表現しているのかなと。 ――クララさんとしては、歌う時はどんな感情でしたか? クララ:私は自分と重ねる楽曲もありますが、基本的には曲の主人公になっていろんな感情を届けるほうが合っていると思っています。だから今までと変わらず楽曲の主人公の気持ちを、ちゃんと皆さんに伝えられるようにと思って歌いました。ただライブでは、自分の気持ちも自然に乗ると思うので、私たちの感情はそこで受け取ってもらえたらと思います。歌うかどうかは、まだ分かりませんけど(笑)。 ■カレンのソロバラードは最初で最後 ――それぞれのソロ曲も収録していて、カレンさんは、岩崎宏美さんの「思秋期」です。 クララ:岩崎さんは当時19歳で、十代の女の子が歌うにはとても大人びていて、びっくりするほど表現力があってすごいなと思いました。同時にそれをClariSに置き換えられるのか不安も少しあったのですが、カレンの声にピタッとハマっていると思いました。 ――青春の終わりを告げるような歌詞で、カレンさんにとっての青春はClariSだったのだなと思いました。 カレン:おっしゃっていただいたように、18歳くらいから10年間ClariSとして歩んで来て、全力でClariSに打ち込んで来たので、私の青春はClariSが全てだったと言ってもいいほどです。振り返ってもいい思い出ばかりで、それだけの愛をたくさんいただいた10年だったと思います。歌っている時は、そんなことを思っていたわけではなかったんですけど、改めて聴けば聴くほど「数年後の私の気持ちなのかもしれない」って思いました。 クララ:歌詞のように、カレンがひとりで紅茶を飲みながら、絵葉書を書いている姿が浮かびます。 カレン:クララ宛てに、いつか会いましょうってね(笑)。あと自分でも思うんですけど、私ってバラードのイメージが無いので、ソロ曲に選ばれたときはびっくりしました。でも歌ってみるとすごくシックリ来る部分があって、小さい時に演歌や歌謡曲をたくさん歌っていたから、歌謡曲のリズム感とかルーツが自分の中にあったんだと思わされました。ただ岩崎さんの歌い方やリズムにピッタリ合わせるのも違うと思って、自分らしく溜めて歌ったりしたのですが、溜めて歌えば歌うほど気持ちいいんですけど、溜めすぎると重たくなってしまうので、その塩梅は難しかったです。 ――ソロでバラードは初なんですね。 カレン:はい。ライブでもやったことがありません。だから最初で最後の、新鮮な私をぜひ楽しんでほしいです。