「103万円の壁」引き上げで負担どうなる? より大きな影響「130万円の壁」は?
■103万円より影響大 『130万円の壁』手取りいくら減る?
103万円よりも影響が大きいとされる『130万円の壁』です。 年収が103万円を超えると、所得税の支払いが発生する『103万円の壁』ですが、扶養されている主婦の場合は、年収150万円までは所得税が増えない『配偶者特別控除』があります。 年収が106万円を超えると、厚生年金と健康保険の支払いが発生する『106万円の壁』は、手取りは減りますが、将来もらえる年金は増えます。 ただ、年収が130万円を超えると、国民年金と国民健康保険の支払いが発生します。 手取りは減り、将来もらえる年金は変わりません。 【『130万円の壁』手取りいくら減る?】 『130万円の壁』で手取りはいくら減るのか、試算しました。 <年収129万円の場合> 国民年金と国民健康保険の支払いはないので、手取りは約123万6000円。 <年収130万円の場合> 国民年金と国民健康保険で、年間約32万円の支払いが発生。そのため、手取りは約96万8000円となります。 年収130万円以上で、『壁』の前と同じ水準の手取りにするには、年収165万円が必要です。 国民年金と国民健康保険で、年間約36万円を支払いますが、手取りは、年収129万円とほぼ同額の約123万7000円です。 【年収130万円未満『第3号被保険者』】 年収が130万円未満の『第3号被保険者』についてです。 第3号被保険者とは、『原則、年収130万円未満なら、会社員などの配偶者に扶養されるため、自身で保険料を支払う必要がなく、年金を受け取れます』という制度で、1986年に始まりました。 女性の第3号被保険者の推移です。 制度が始まった1986年は、約1090万人。 ピークとなったのは、1995年で、約1216万人。 現在、2024年5月末で、約663万人です。 女性の第3号被保険者が占める割合です。 35歳以上の女性の約3割が第3号被保険者です。 若い年代ほど少ないです。 『就業時間や日数を調整しているか』という調査では、 「調整している」が61.5%、 「調整していない」が38.5%でした。 最低賃金の時給上昇で、さらなる就業調整が起きる可能性もでています。 時給上昇を理由にさらなる就業調整をする意向があるパート女性は、約210万人と推計されています。