FW鈴木武蔵が4年ぶりゴール!J1札幌がルヴァン杯で8強入り
◆YBCルヴァン杯 ▽プレーオフラウンド第2戦 札幌2-1富山(9日・富山県総合運動公園陸上競技場) J1北海道コンサドーレ札幌が、2年連続でルヴァン杯の準々決勝に駒を進めた。ホームでの第1戦に1―1で引き分け、敵地で迎えたJ3富山戦に2―1で勝利。1勝1分けで8強入りを果たした。前半40分、FW鈴木武蔵(30)がPKを決めて今季初ゴール。今年、4年ぶりに札幌に復帰した鈴木にとって、2020年8月8日のJ 1リーグ・清水戦以来、1401日ぶりとなる得点が先制点となり、勝利に貢献した。 重圧をはねのけ、武蔵が札幌で4年ぶりのゴールを決めた。0―0の前半40分、ドリブル突破を狙ったMF近藤友喜(23)が、ペナルティーエリア内で倒されて得たPK。ボールを手にし、スポットに向かったのは武蔵だった。 「去年PKを外していたから。正直、どうしようと思っていた」。G大阪でプレーした昨年5月24日の京都戦で「初めて」PKを失敗した。「それが頭をよぎった。プレッシャーはあった」。今季のリーグ戦では12試合でノーゴール。勝てば準々決勝が決まる戦い、先制点の重みは分かっていた。揺れる気持ちの支えになったのは、仲間の後押しだった。 近藤は「武蔵君が決めた方がリーグ戦にもつながる。『お願いします』と言いました」と、迷わず役目を託した。他の選手からも「武蔵が蹴って」と声が続いた。「本当にありがたかったので。止められてもいいから、思い切り決めた所に蹴ろうと、強く力を込めて打った」。あふれる感情を形とした武蔵の一発が、2年連続の8強入りにつながった。 今年、4年ぶりに札幌の一員となった。札幌での得点は、20年8月の清水戦以来、1401日ぶり。復帰後初得点を「いいもんですね」とほほ笑みこそしたが、リーグ戦は最下位に沈み、FW陣には開幕から17試合得点がない。責任を感じ続けてきただけに、1点でうっ憤は晴らせない。 「ここからなので。残っている試合でより多くの結果を残さないと。まだまだ、どんどん、高みを目指していきたい」と口元を引き締めた武蔵。前回在籍時には公式戦での26点中、17点を連続弾で挙げた。待望の一発から、武蔵が波に乗っていく。(砂田 秀人) 〇…GK菅野孝憲(40)の好セーブがチームを救った。2―1で迎えた後半アディショナルタイム、富山にゴール中央からFKの機会を与えた。「壁の隙間からボールを集中して見た」。相手のキックは枠内に飛んだが、右に跳んで弾いた。終了間際のピンチを防ぎ「嫌なイメージもよぎったが対応できて良かった」と表情を緩めた。リーグ 戦は苦しい状況の中、果たした8強入り。「コツコツ成功体験をつなげていくことが浮上のきっかけだと思うので」と今後の弾みとなることを願った。
報知新聞社