高速道路で約95%が「ETC」を利用! 便利なのになぜ“使わない人”がいる? 「一般レーン」しか通れない人の意外な事情とは
「ETC」を使わない人にはどんな事情がある?
「ETC」(Electronic Toll Collection System)とは、高速道路や有料道路の料金所で停止して現金での支払いをすることなく、専用のETCレーンを通過するだけで無線情報を交信することで支払いができるシステムです。 クルマを停止させていちいち現金を取り出す手間がないうえに、深夜割引や平日朝夕割引といったETC限定の料金割引やポイントが付与されるなど、うれしいサービスもあります。 【画像】「えぇぇぇぇ!」これが「ETCを使わない人の事情」です!(21枚)
国土交通省が発表している「ETCの利用状況」ではETC利用率が記載されており、2007年3月時点では65.9%でしたが、2024年7月では94.9%と9割を超えています。 ほとんどの人がETCを使って高速道路を利用していることがわかりますが、その一方で残りの5.1%は利用していないということになります。 ETCを使わない人にはどのような理由があるのでしょうか。 まず「高速道路をめったに使わない」という理由が挙げられます。 高速道路を1年に1回使うかどうかというのであれば、わざわざ車載器を設置してETCカードを用意するのは逆に手間がかかるでしょう。 ETCの車載器を取り付けるには、本体費用も含めおよそ1万5000円から2万円かかるので、頻繁に使うのであれば割引やポイントで元を取れますが、めったに使わないのであればこの費用はもったいないといえます。 一方で、中古車で買ったクルマにETC車載器がついていて、ETCカードを保有しているのに、一般レーンを通行する人も少なからず存在。 ETC車載器は利用者の住所や氏名を登録する「セットアップ」の作業が必要になり、中古車に装着されていた場合に登録車を変更する必要があります。 セットアップができる販売店やカー用品店に持ち込んで作業するのですが、数千円程度ながら費用もかかり、そのため、セットアップをせず、ETCを利用していないという人がいるようです。 ほかにも、高速道路を利用した際の領収書や利用証明書がすぐに必要な場合、ETC専用レーンではその場でもらうことができないことから、ETCカードを持っていても利用しない可能性が高いです。 係員がいる一般レーンで支払うとすぐに領収書もらうことができるので、会社へすぐに提出しなければならない時にETCより一般レーンでの支払うという人もいるようです。 そして、走行データが残ることを避けるためにETCを使わないというケースもあります。お忍びカップルや犯罪に絡むことなどが想定されますが、こういった事情により、あえて現金で支払うということもあるのです。 また、ETCカードを入手できない場合もあります。 ETCカードはクレジットカードに付帯されているのが一般的。何かしらの理由でクレジットカードを作れないなら、ETCカードも作れません。 しかしレンタカーを利用する際にETCを利用したい場合は、レンタカー会社でETCカードを貸し出している場合があるので、レンタカー会社に問い合わせてみるとよいでしょう。 ETCカードとは別に「ETCパーソナルカード」というデポジット制のETCカードがあるので、それを利用するのも手です。 ETCパーソナルカードは、有料道路全般には使えず高速道路での支払いのみに利用可能。年会費で1257円が必要で、デポジットは最低2万円から。入金額の8割が通行料として使われ、指定した金融機関口座から引き落とされる仕組みです。 ETCを利用するときは、早めに「ETC専用」と表示されているレーンに並び、直前で急な車線変更は行わないようにしましょう。 またETC専用レーンを通過する際は時速20km以下までスピードを下げて、車間距離を十分に空けて通行します。 通信エラーやETCカードの差し込みが不十分であれば開閉バーが上がらないことがあるので、万が一上がらなくても安全に手前で止まることができるスピードで通過することが重要。 もしバーが上がらなかった場合は勝手に車両を下げないようにし、その場で停車していると係員が案内するので、停車してそのまま待ちましょう。 ※ ※ ※ さまざまな理由でETCカードを利用しないシチュエーションはありますが、近年一般レーンは減少しておりETC専用レーンのみの料金所が増えています。 またETC車載器は古いものと新しいものでは、使用している電波やセキュリティ規格が異なっており、2030年にはセキュリティ対策のため多くの古い機種が使用できなくなり、注意が必要です。
奥彩花