<リオ五輪速報>柔道66kgで海老沼が銅メダル「気持ちで負けた」
リオ五輪の男子66kg級が7日、現地で行われ、ロンドン大会銅メダルの海老沼匡(26、パーク24)が銅メダルを獲得した。3位決定戦の相手はカナダのアントワヌ・ボシャール。まずは有効をとり、残り1分を切ったところで、背負い投げを決めて1本勝ち。意地の2大会連続の銅メダル獲得となった。 なお金メダルは、イタリアのファビオ・バジレが韓国のアン・バウルを1本で下し初優勝を果たした。 海老沼は初戦の2回戦から気合十分。地元の大声援を受けるチバナ(ブラジル)を横四方固めで破ると、3回戦は馬端斌(中国)を袖釣り込み腰で1本勝ち、準々決勝では、マテオ(ドミニカ共和国)を圧倒、最後は背負い投げで仕留め、オール1本勝ちで準決勝を迎えた。準決勝の相手は、昨年の世界選手権覇者で世界ランク1位のアン・バウル(韓国)。両者共に組み手に神経を使うあまり、決め手に欠ける展開で、ひとつずつの指導を受けて、勝負はゴールデンスコア方式の延長戦にもつれこんだ。焦れた海老沼が、背負い投げに入ったところを逆に返され有効を取られ敗戦。それでも気持ちを切り替えて3位決定戦に臨んでいた。 史上初の金メダルなしとなった前回のロンドン五輪。海老沼も銅メダルに終わった。世界選手権では3連覇したが、オリンピックで勝つためには、何かが足りない。海老沼は、オリンピック3連覇の野村忠宏の元を訪ねて、勝つためのメンタリティを聞いたという。リオ五輪の代表を決める最終選考会である4月の体重別では、ホープの阿部一二三に、1本負けを喫した。阿部を出すべきとの批判も起きた。「五輪の借りは五輪で返す」。屈辱を晴らすにはリオでの金メダルしかなかったが、悲願を果たすことはできなかった。 試合後、海老沼は、悔し涙を浮かべた。 「準決勝は、気持ちの部分で負けた。あそこで踏ん張れなかったのが敗因です。準決勝の試合中に怪我? それは関係ないです。ただ、メダルを取るのと、取らないのでは違うので、ぶざまな試合ですが、なんでもいいからメダルだけは取って帰ろうと思った。金メダルを取って(妻と)一緒に喜びたかったが力不足です」 2大会連続の銅メダル獲得にも、海老沼には悔しさしか残っていなかった。