ノルウェー「世界一美しいサッカー場」絶景に鳥肌、海と山に囲まれた漁村で唯一「異彩」を放つ場所
同じくレーヌ村で複数回通ったのがAnita's Sjømatという海鮮魚店。ノルウェー産のサーモンは日本でも有名だが、ロフォーテン諸島周辺は世界有数のタラの漁場でもある。新鮮なタラとサーモンを食べにこのお店を訪れた。特にタラのすり身を揚げたパテ、スモークサーモンと新鮮なレタスなどが入ったフィッシュバーガーは泣きそうなほど絶品だった。魚介たっぷりのシーフードチャウダーは寒い冬に飲むと身体が芯から温まる。
そして驚いたのは付け合わせで出ていたメカブ。海外であまり海藻の料理を見たことがなかったので、おそるおそる食べてみると新鮮な本物のメカブに感動。メインのバーガーやスープはもちろん、このメカブにこそ漁村の底力を見たような気がした。 あまりにも美味だったので食べ物のことばかりを書いてしまったが、本命はこちらのお店の隣にぽつんと建っている一軒の黄色いロルブーだ。赤いロルブーも可愛らしくて惹かれるが、この黄色のロルブーもまたロフォーテン諸島の自然にマッチしていてとても素敵だ。
このロルブーの背後に、山頂が鋭くとがった三角の大きな山がひとつ聳え立っているのもポイントが高い。ちょうどレーヌ村の展望ポイントと宿泊していたホテルの中間地点に位置しており、車で通るたび時間帯や天気によって印象が違って見えて、「ああ、また行きたい」という気持ちを抑えることが難しいほどこの場所が好きになっていた。 また、旅の拠点としていたホテルから徒歩3分ほどの距離にあるHamnøy橋からの眺めこそが今回ロフォーテン行きを決めた最大の理由だった。波が打ち付ける岩の上に海にせり出すかのように赤いロルブーが建っている。背後に見えるのは、まるで巨大な岩山の山頂がいきなり海上に姿を現したかのような迫力ある光景。実際に自分の足でその場に立ち、自分の目で見る絶景に鳥肌が止まらなかった。
もし、ノルウェーへ渡航する目的がオーロラを見ることであればロフォーテン諸島最大の街スボルベルなどに宿泊する方が、ツアー会社の多さからも圧倒的に便利ではある。そこからレーヌは車で2時間も離れたロフォーテン諸島の南端だが、ここでしか見ることのできない景色があった。 ■世界で最も美しいサッカースタジアム ロフォーテン諸島には他にも数多くの素晴らしい風景に出会える場所があるのだが、ヘニングスヴァールという漁村を紹介し締めくくりたいと思う。レーヌから車で2時間ほどの距離にある、レーヌに負けず劣らず大変美しい場所だ。海に囲まれ山々に見守られるこの小さな漁村には、1カ所だけ異彩を放つ場所がある。それはヘニングスヴァールの南端あたりに位置する屋外サッカー場だ。なぜ、サッカー場が? と思われるだろうがまずは写真を見てほしい。