「エミリー、パリへ行く」新シーズンの個性派ファッションを衣装デザイナーが解説
これまでのシルヴィーの装いには、「サンローラン(SAINT LAURENT)」や「シャルロット シェネ(CHARLOTTE CHESNAIS)」「トッズ(TOD’S)」などが多く見られたが、新シーズンでは「プッチ(PUCCI)」や「グッチ(GUCCI)」などを取り入れ華やかな装いにシフトチェンジした。
個性豊かな助演俳優たち
フィトゥシはメーンキャラクターだけでなく、サポートキャラクターの衣装も手掛けている。
新シーズンでサミュエル・アーノルド(Samuel Arnold)演じる同僚ジュリアン(Julian)のために仕立てられた衣装は全て、ベルギー出身のファッションデザイナー、ウォルター・ヴァン・ベイレンドンク(Walter Van Beirendonck)によるもの。撮影のために、個人的なアーカイブから多くの作品を貸し出してくれた。
一風変わった同僚リュック(Luc)を演じる俳優のブルーノ・グエリ(Bruno Gouery)は、以前はファッションに無関心だったが、撮影を通して自分のキャラクターが着るものに興味を持ち始めたそうだ。リュックの特徴でもある首元のクラバット(長方形のスカーフ)は、柔らかな質感の事務服やスリーピースのスーツによく合う。
リュカ・ブラヴォー(Lucas Bravo)が演じるシェフのガブリエル(Gabriel)のコーディネートは、“親しみやすい近所のあの人”感を残す必要があったため一番特殊だったそうだ。デザイナーズブランドを着せるとモデルのようになってしまうため、ミニマリズムやサステナビリティに特化したフランスのブランドを選びキャラクターに沿ったルックを完成させた。
このシーズンでフィトゥシは、中国発の「ラクシー(RAXXY)」やベトナム発の「SIXDO」、インド発の 「マニッシュ アローラ(MANISH ARORA)」と「ガウラヴ グプタ(GAURAV GUPTA)」、モルドバ発の「フィダン ノブルゾバ(FIDAN NOVRUZOVA)」など世界各国のブランドを意識的に取り入れたと語った。
「もしシーズン5があるなら、さらに多くのデザイナーに輪を広げたい。メキシコ、チリ、ペルーのデザイナーが気になる。若いデザイナーたちに活躍の場を与えられるのは光栄なことだ」。